100年閉ざされた屋敷で、家族の秘密が動き出す――映画『モネと時間旅行』が描く時を超えた謎解き

馬車から高速列車へ、手紙からスマホへ

羨ましいのは、パリ旧市街の石造りの街並みは、100年前の背景として違和感なく使えること。セーヌ川の河畔やエッフェル塔など、誰もが知る名所をうまく使って、時代をオーバーラップさせても成立するのが実にいいなぁと。

ところで、最初と最後に親族一同がZOOM会議をするところが、今どき感が出ていて面白かったですね。

19世紀はパリに出ていくのには馬車を使っていますが、現代は高速列車。離れた恋人との対話手段は、昔は手紙ですが、今はスマホ。ちょうど写真や映画が生まれた時代を描写していて、「いずれ絵画はなくなる」というセリフもありました。

AIの進化で仕事がなくなると大騒ぎしている現代人と、どこか似ていて興味深いです。

この映画の日本版を作るとしたら、モネは葛飾北斎か。女主人のアデルは、NHK朝ドラの、見上愛かなと妄想してしまいました。

『モネと時間旅行』
監督・脚本:セドリック・クラピッシュ 出演:スザンヌ・ランドン、アブラム・ヴァプレ、ヴァンサン・マケーニュ、ジュリア・ピアトン、ジヌディーヌ・スアレム他 配給:セテラ・インターナショナル 9月18日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開

「週刊実話」10月1・8日号より

やくみつる

漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。