100年閉ざされた屋敷で、家族の秘密が動き出す――映画『モネと時間旅行』が描く時を超えた謎解き

『モネと時間旅行』
ノルマンディーの草原に100年以上閉ざされていた屋敷があった。相続権を持つのは面識のない30人以上の一族。土地開発のために屋敷を売るよう迫られ、代表して屋敷の調査をすることになったセブ、アブデル、セリーヌ、ギイの親戚4人は、そこで印象派作品らしき絵画と、先祖アデルの手紙や写真を見つける。19世紀にノルマンディーからパリへと旅をし、ベル・エポックの時代を生きた女性アデル。彼女と絵画にまつわる家族の秘密が解き明かされたとき、それぞれの人生に新たな扉が開く。

先祖の足跡をたどるベル・エポックの旅

印象派の巨匠、クロード・モネ。代表作「睡蓮」は日本人も大好きですが、そのモネの没後100年の記念の年にふさわしい一作です。

©STUDIOCANAL - COLOURS OF TIME - CE QUI ME MEUT - Emmanuelle Jacobson-Roques

現代とモネが活躍する19世紀末のパリが境い目なくつながる脚本と編集が非常に心地よかった。チラシに書かれた「心地よい温かさに包まれる感動作」という、通常ならベタに感じるフレーズが「まさに」と思えました。

自分は、時空がねじれる映画を見ていると、いつも訳が分からなくなるのです。ただ本作は、時代と場面の切り替えが非常にスマートで、私のような者でも「時間旅行」が楽しめました。

NHKに『ファミリーヒストリー』という番組がありますよね。4世代ほどさかのぼって、本人も知らない世界が開示される。そんなルーツの謎解きが面白くて、感心したり驚いたりしながら見ていますが、その映画版のような感じです。

一族に遺されたノルマンディー地方の古い屋敷が、放っておくとショッピングセンターの駐車場にされてしまうとあって、相続権利のある親族が30人ほど集められ、代表して4人が廃屋調査を任されます。

年齢も職業も違う、もちろん面識もない4人が、存在すら知らなかった屋敷に入ってみる。すると、1944年から眠っていたタイムカプセルが開いたかのように、住人の生きた証しである写真や絵画、手紙がザクザクと出てきます。

そこから屋敷の女主人・アデルの生い立ち、父親は誰かにたどり着くにあたり、少々強引な方法が行われます。まあ、基本は喜劇ですから、見ていてモヤモヤは残りません。むしろ、アリだと思いました。

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