長州力のムチャぶりで涙が吹っ飛んだ天山広吉引退セレモニー【蝶野正洋の黒の履歴書】

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長州さん、今やることじゃない

本誌(8月20・27日号)でも対談した、新日本プロレスの天山広吉選手の引退セレモニーに参加してきた。

天山の引退試合の対戦相手は“テンコジ”としてタッグを組み、ライバルとしてもシノギを削ってきた小島聡選手。試合は天山のコンディションを考慮して5分一本勝負だったんだけど、試合直前に時間無制限に変わり、いまできる全力ファイトで小島選手に挑んだ。

ここ数年の天山はダメージの蓄積でまともな試合ができなくて、一部のファンから「動けないんだったらやめろよ」という批判も浴びていた。だけど、最後に気持ちを感じさせる試合をやりきったことは、本当にすごいことだと思う。

引退セレモニーには長州(力)さん、藤波(辰爾)さん、武藤(敬司)さん、馳(浩)さん、天山と同世代の金原弘光、ケンドー・カシン、秋山(準)、さらに野球界から三浦大輔番長も駆けつけてくれた。

セレモニーはそれぞれが天山に花を渡して、最後に俺が代表して挨拶するという段取りだった。俺は天山の最後の試合に感動したし、それを称えながらアイツが泣くぐらいのコメントを言おうかなと考えていた。

そうしたら長州さんがいきなり天山を羽交い締めにして、俺に「シバけ!」とけしかけてくるんだよ。せっかく感動的な流れになってるのに、今やることじゃないよね(笑)。

もちろん、長州さんに悪気はない。昔のプロレスラーのクセみたいなもので、サプライズを仕掛けてお客さんを喜ばせて、マスコミが喰い付くような見出しを作りたいだけ。それを空気を読まずにいきなりやり始めるのは、昭和の感覚だよね。俺からすれば“拒む”という選択肢はないから、天山にビンタを入れるしかなかった。そこから泣けるスピーチに持っていくのは、まぁ無理があったね。
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