【深淵ホラー劇場:映画界が封印した『G級の神々』】#11 イタリアのホラー・インフルエンサー最前線・後編 <伝説的ブログ『NAQB』が語るホラーの真実>
映画ファンなら誰もが知るトビー・フーパー監督の不朽の名作『悪魔のいけにえ』。そのイタリア語題である『Non aprite quella porta(そのドアを開けるな)』に鮮やかなオマージュを捧げ、誕生したWebメディアが存在する。その名も『Non Aprite Questo Blog(そのブログを開けるな)』、通称NAQB。
現地で最も信頼されるホラー映画の情報源としてリードする同サイトの管理人、ジョー・ゴドイ・ゴンザレス(愛称ゴンズ)への直撃インタビューを敢行した。
巨匠たちの現在地から、批評界の構造変化、そして自ら創設した熱狂的な映画祭の裏側まで、ホラーカルチャーの真実を熱く語り尽くす。
◆名作へのオマージュ!伝説的ホラーブログ『NAQB』と管理人ゴンズの誕生
「マリオ・バーヴァやルチオ・フルチといった黄金時代を築いた巨匠たちのファンは、今や少数派になってしまったのか?」という直球の問いに対し、ゴンズは偽りのない現状を語り始めた。
「残念ながら、フルチやバーヴァのファンは現在ごく少数です。それどころか、ダリオ・アルジェント、アルド・ラド、セルジオ・マルティーノ、ジョー・ダマト、プピ・アヴァティ、ミケーレ・ソアヴィといった名監督たちでさえ、今日ではファンが少ない存在として名前が挙がってしまうのがリアルな現状なのです」
もともとイラストレーターとしてキャリアをスタートさせたゴンズは、その才能を発揮して国内最大級のウェブエージェンシーでウェブアートディレクターを務めるまでに登り詰めた人物である。しかし2014年、少年時代から彼の胸の中で熱く燃えていたホラー映画への深い愛情が再び覚醒する。
彼は情熱の赴くままにNAQBを開設し、鋭く独自の視点による映画批評を日々の執筆を通して発信し始めたのだった。
◆批評家による軽視とハリウッド依存 ── 自国作品が直面した不当な苦難
「かつての映画批評界は、今までにない構造変化の時代を迎えています」とゴンズは分析する。インターネットの爆発的な普及によって、専門的なジャーナリズムの学位や新聞社での職歴がなくとも、誰もが自らの言葉で発信し批評家になれる環境が整ったからだ。その結果「映画を正しく理解するには公認の批評家でなければならない」という古くからの特権的な神話は崩れ去ることとなった。
「ホラー映画は、長年にわたり三流映画扱いをして見下してきた鼻持ちならない伝統的批評家たちの偏見からようやく解放されました。現在ではアクセス数やトレンドを意識して、一般メディアもホラーというニッチなジャンルを取り上げるようになり、人々もホラーに一定の価値を見出し始めています。しかしその一方で、自国製のホラー映画は依然として市場で苦戦を強いられています。商業的なクリック数に繋がりにくく、収益化が難しいためです」
ゴンズはさらに、文化的な課題の核心へと深く踏み込んでいく。
「正直に言って、自国製ホラーが抱える最大の課題は観客の意識にあります。一部の熱心なファンを除いて、多くの観客はアメリカ映画の世界的席巻や、近年の動画配信プラットフォームによるコンテンツの均一化によって、感覚が麻痺してしまっているように見えます。こうした長年の文化的な影響によって、国内には『自分たちの国で作られるホラー映画は生まれつきつまらない』という理不尽な思い込みや偏見が根深く定着してしまったのです」
【関連】イタリアのホラー・インフルエンサー最前線・前編 <ホラー・インフルエンサーにして魔女・ストレーガ・メデアとは> 【深淵ホラー劇場:映画界が封印した『G級の神々』】#11
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