【深淵ホラー劇場:映画界が封印した『G級の神々』】#11 イタリアのホラー・インフルエンサー最前線・後編 <伝説的ブログ『NAQB』が語るホラーの真実>



◆500kmを旅して集まるファン!映画祭『ドラッグ・ミー・トゥ・フェスト』の熱狂

イタリアの精神を体現する映画祭 『ドラッグ・ミー・トゥ・フェスト 』!.webp 59.4KB
このような不当な扱いを受けるホラー文化を再構築するため、ゴンズは映画監督のキアラ・ナタリーニと共に、独自の映画祭『ドラッグ・ミー・トゥ・フェスト(Drag Me To Fest)』を創設した。

「すべての始まりは2019年に遡ります。当時、私はNAQBの読者やファンに向けた小さな集まりを初めて企画しました。参加人数こそまだ少数でしたが、その初期メンバーたちはコミュニティに参加しているという強い実感を求めて、500kmもの長い道のりを自費で旅して駆けつけてくれた熱狂的な人々だったのです」

数年後、この小さな集いから始まった熱量は、ミラノを拠点とする本格的なホラー映画祭『ドラッグ・ミー・トゥ・フェスト』へと進化を遂げた。回を重ねるごとに全国から観客が集まり、会場全体を包み込む圧倒的な一体感と情熱が育まれていっている。

「私は今でも、この観客同士の温かい一体感を何よりも大切に守り続けています。なぜなら、草の根のファンとの繋がりこそが、この映画祭というプロジェクトの真の核であり、原動力だからです」

◆暗黒時代を経て蘇る小さな炎!新章を告げる必見作品ガイド

イタリアンホラーの黄金時代から暗黒時代への転落、そして希望の光.webp 38.2KB

ジャンルのアイデンティティとは何か、そして過去と現在でその性質はどう変化したのだろうか。ゴンズは、シーンが眩い輝きを放っていた最後の黄金期として90年代の傑作『デモンズ'95』や『ナイトメア・コンサート』といったタイトルを挙げながら、静かに振り返る。

「残念ながら90年代以降、国内のホラーシーンは劇的な衰退を見せ、特筆すべき映画すらほとんどない長い暗黒時代へと突入してしまいました」

しかし、絶望的な苦境の中にありながらも、ここ15年ほどの間に再び高品質で現代的なホラー映画が静かに生み出されるようになってきたという。

「現在の状況は、暗闇の中で本物の焚き火を起こそうと試みる人々が絶やさずに守り続けている、小さくも力強い情熱の炎のようなものだと感じています」

彼が指し示す通り、2010年代以降は注目のホラー映画が立て続けに製作されている。日本国内で配信やDVDを通して鑑賞可能な作品も多数含まれているため、映画ファンにはぜひ新たな歴史の目撃者となってほしい。


★近年の注目作リスト

『NAKEDサバイバル・フォレスト』(2009年)フェデリコ・ザンパリオーネ監督
『House of Flesh Mannequins(肉マネキンの家)』(2009年)ドミツィアーノ・クリストファロ監督
『川を越えた先』(2013年)ロレンツォ・ビアンキーニ監督
『Il demone di Laplace(ラプラスの悪魔)』(2017年)ジョルダーノ・ジュリーヴィ(Giordano Giulivi)監督
『デス・フロア』(2017年)ダニエーレ・ミシシチア監督
『サスペリア』(2018年)ルカ・グァダニーノ監督
『Il signor Diavolo(ミスター・デビル)』(2019年)プピ・アヴァティ監督
『ステイ・ホーム』(2019年)ロベルト・デ・フェオ監督
『Fuck You Immortality(くたばれ永遠の命)』(2019年)フェデリコ・スカルジャーリ(Federico Scargiali)監督
『クラシック・ホラー・ストーリー』(2021年)ロベルト・デ・フェオ/パオロ・ストリッポリ共同監督
『El Nido(巣)』(2023年)マッティア・テンポーニ(Mattia Temponi)監督
『Amore acido(アシッドな愛)』(2023年)ダリオ・アルメリギ(Dario Almerighi)監督
『La valle dei sorrisi(微笑みの谷)』(2024年)パオロ・ストリッポリ監督
『La memoria del buio(暗黒の記憶)』(2024年)ロレンツォ・ビアンキーニ監督
『Invisibili(見えないものたち)』(2025年)アンブラ・プリンチパト(Ambra Principato)監督
『Al progredire della notte(夜の深淵へと)』(2025年)ダヴィデ・モンテッキ(Davide Montecchi)監督

また、映画祭『ドラッグ・ミー・トゥ・フェスト』の各回でゴンズが絶賛した短編映画作品からも目を離せない。新世代の才能たちがショートフィルムの枠組みの中で眩いばかりの異彩を放っている。

『ドラッグ・ミー・トゥ・フェスト』各回ごとのゴンズ注目短編作品
2021年:『The Rise』ロレンツォ・ファッシーナ(Lorenzo Fassina)監督
2022年:『Two Sisters』ディエゴ・カルリ(Diego Carli)監督
2023年:『Dafne is Gone』ジュリー・ガン(Julie Gun)監督
2024年:『Metus』アルベルト・ジェルミ(Alberto Gelmi)監督
2025年:『The Waking Call』リッカルド・スリアーノ(Riccardo Suriano)監督

スクリーンの中にある恐怖の真髄と、映画を愛する人々の情熱を守り続けるゴンズとNAQBの挑戦は、これからもシーンの未来を力強く牽引していくに違いない。


🔗 関連リンク
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ドラッグ・ミー・トゥ・フェスト(Drag Me To Fest)公式サイト

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文・イラスト/沙さ綺ゆがみ