甲斐智枝美『スタア』が映す“80年組の陰に隠れた名曲”と1980年の夏【スージー鈴木の週刊歌謡実話第44回】

甲斐智枝美『スタア』

【スージー鈴木の週刊歌謡実話第44回】
甲斐智枝美『スタア』
作詞:伊藤薫
作曲:伊藤薫
編曲:船山基紀
1980年6月21日発売

松田聖子ら強豪ひしめくデビュー戦線

こういう曲を「日本歌謡史に残る名曲」と言わなければいけない。

「それって、あなたの感想ですよね」と言われそうだが、もちろんそうです。でもですね、音楽に「感想(間奏)」はつきものなのですよ。言うたった。

デビューは1980年。アイドルと言えば、最近では小泉今日子、中森明菜の「82年組」ばかり語られますが、実は「80年組」の方が質・量ともに充実していました。

何といっても松田聖子に河合奈保子、柏原よしえ(現:芳恵)、男性陣には田原俊彦まで控えているのですから。ライバルが強力過ぎたといえます。

日本テレビ系『スター誕生!』で見出され、ホリプロに所属。体制としては盤石そのもの。そして’80年に、この『スタア』でデビュー。

ちなみに、この連載の第40回で取り上げた石坂智子『ありがとう』は、まったく同じ日に発売された彼女のデビュー曲。さらになんと、「作詞・作曲:伊藤薫」も共通。まさに姉妹のような2曲なのです。

松田聖子を筆頭とする華々しい「80年組アイドル」の陰で、売れなかったけど、同じく伊藤薫の手による、同じく6月21日発売の2つの名曲――。

それでも私にとってこの2曲は、中2の夏を彩った「サマー・アンセム」なのでした。

校内暴力に息を潜め、日焼けした女子の肌を見て悶々とする、あの悩ましい夏を元気付けてくれた『スタア』と、なぐさめてくれた『ありがとう』。

今となっては、もう46年前の物語になります。伊藤薫さん、2つの名曲を本当に「ありがとう」。

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