被害女性だけじゃない――身内・支援者までも壊す不同意性交の壮絶な現実【不同意性交の代償・前編】

 

■洗脳指導者からの救出――兄弟子との新たな関係と葛藤(演奏家・29歳)

私は職業上の師匠的な存在だった60近い男から、「指導」と称して約一年間に渡って連日、性交を強要され続けました。当時は本当に洗脳されていて、「お前の表現力が足りないのは男を知らないからだ」と好き放題に扱われていたのです。

そんな中、私を救ってくれたのが、兄弟子にあたる男性でした。私とこの男との異常な関係性に気付き、「何か周りに話せないことでもあるんじゃない?」と優しく声をかけてくれたんです。

すべてを知った兄弟子は激怒して男に詰め寄り、関係を断ってくれました。私はもちろん、兄弟子までかつての師匠と絶縁してくれて感激しましたね。それからの兄弟子は、毎日のように励ましのLINEをくれました。性被害者専門のさまざまな相談窓口を探してくれたり、回復の方法も調べてくれて、結果的に男を訴えられたのは本当に彼のおかげだと思ってます。

ただ、弁護士先生と相談する中、「その兄弟子さんにも同じ被害に遭わされてないですか?」と言われて、ハッとしましたね。

兄弟子は家で塞ぎ込んでばかりの私を色々な場所に連れ出してくれる中、「悪い思い出は上書きしよう」と、男によく連れていかれた居酒屋で敢えて食事したりもして。実際、それは本当に心の回復に繋がったと思います。

ただ、男と使ったラブホにも行くようになり、最初はそこで飲むだけだったのですが、そのうちに関係を持つようになってしまって……。兄弟子には妻子もあったので完全に不倫関係でした。

弁護士先生から個別にヒアリングを受けた兄弟子は、「傷ついた彼女の心につけ込んでしまいました。加害者と一緒に僕も訴えてください」と涙を流して謝ったそうです。

でも、私は彼を責める気になんてなれなくて。確かに現在の私に冷静な判断力はないかもしれませんが、あれだけ親身に尽くしてくれた兄弟子が下心目当てだったとは決して思えないんです。

兄弟子とはそれ以来、連絡を取り合っていませんが「(加害者から支払われた)示談金の半分を彼にお渡ししようと思うのですが」と弁護士先生に相談したところ、慌てて止められました。だって、実際そんなお金が入ったのは兄弟子のおかげですし、彼のご家族には申し訳ない気持ちもありますから…。

それが当然だと思うのですが、やっぱり私はまだマトモではないんでしょうか?

【不同意性交の代償・後編】へ続く

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『週刊実話 ザ・タブー』9月4日号