本塁打・安打・塁打、3つの最多記録は今も健在 史上最強打線・智弁和歌山の夏【夏の甲子園不滅の記録②】

粘りが生んだ最多安打100本

2つ目の記録は、チーム最多安打100本。6試合連続で2桁安打を記録する勝負強さは大会タイ記録でもあり、コツコツと打ち続けた集大成が100本という数字に表れている。1回戦の新発田農(新潟)戦(14-4)から、相手投手をかき乱す高い出塁率を見せ続けたことが、この記録の土台となった。

象徴的なのが準々決勝の柳川(福岡)戦(7-6、延長11回)だ。エース香月良太を相手に2-6とリードされた劣勢の中、8回裏に2本の本塁打で一気に同点に追いつき、延長11回でサヨナラ勝ち。終盤までヒットを重ね続け、土俵際で踏みとどまる粘り強さこそが、この大会を象徴する勝ち方だった。

智弁和歌山は準々決勝から決勝まで、実に3試合連続で逆転勝利を収めている。一度傾いた試合を、安打を重ねることでひっくり返す再現性の高さが、まさに「100本」という記録の正体だった。

逆転劇を支えた最多塁打157

3つ目の記録は、チーム最多塁打157。単打だけでなく、長短打を絡めて一気に得点を奪う力こそが、この記録の源泉だった。当時のチーム打率.413(後年更新)と並び、まさに「打って打って打ちまくる」野球を体現した数字でもある。

その集大成となったのが決勝の東海大浦安戦(11-6)だ。相手エース・浜名翔は準決勝までの防御率2.02という好投手で、どのチームも打ちあぐねていた。それでも智弁和歌山は6回表までに浜名から5点を奪うも、相手にも食らいつかれ、6回裏には勝ち越しの6点目を許す5-6の劣勢に立たされる。それでも焦ることなく、8回表に5本の長短打を集めて一挙5得点。浜名の疲れを見逃さず、長打力で勝負を決めた。

準々決勝から決勝まで全て逆転で勝ち上がるという、勝負強さと長打力を兼ね備えたチームだったことがよくわかる試合だ。優勝が決まった瞬間、ベンチも応援席も和歌山県勢の歓喜に包まれた。