首位阪神は本当に逃げ切れるのか──雨天中止、死のロード、CS…待ち受ける3つの試練



◆阪神自身が知る「クライマックスシリーズ(CS)」の怖さ──過去の前例が示す落とし穴

藤川監督の采配がCS突破のカギを握っている

仮にペナントレースを制したとしても、10月にはまったく別の戦いであるCSが待っている。過去10年を見ても、リーグ優勝チームがCSで敗退したのは2度(2017年広島、2024年巨人)。短期決戦では、シーズンの順位がそのまま結果に結び付くとは限らないのだ。

ここで想起されるのが、阪神自身が過去に味わった「下剋上」の歴史である。記憶に新しい2024年のCSファーストステージ。2位の阪神は本拠地・甲子園で3位DeNAと激突したが、まさかの2連敗で姿を消した。第1戦、DeNAは先発の東克樹が4回で負傷降板しながらも、その後5人の救援陣をイニングずつ繋ぐ執念の継投で阪神打線をわずか1点に封じ込めた。また、NPB史上最大の下剋上と言われた2010年のロッテ戦でも、阪神はその犠牲となっている。

短期決戦では、ペナントレースのように6人の先発ローテーションを回す必要はない。実質3〜4人の先発と、連投耐性のある充実したブルペン陣があれば、1試合を力で押し切ることが可能になる。ペナント終盤の過密日程でブルペンを酷使したチームほど、この短期決戦の「継投勝負」において後手に回る危険性を孕んでいるのだ。

◆藤川監督に問われる“勝負の休ませ方”──目先の1勝と長期的視野のバランス

こうした試練を乗り越えるために、今まさに問われているのが藤川球児監督の采配だ。

過密日程と「死のロード」が重なる後半戦、全試合をベストメンバーで勝ち続けることは物理的に不可能に近い。主砲の佐藤や森下を適度に休ませる勇気、そして救援陣の連投を抑えて温存する采配ができるかどうか。

「目先の1勝」を追いかけて戦力を使い果たせば、10月のCSで息切れを起こす。かといって温存しすぎれば巨人の追撃を許す──。首位を守りながらも、本番である10月にベストな状態を合わせるという、極めて高度な「コンディション管理」と「やりくり」が藤川監督に突きつけられている。

リーグ優勝はゴールではない──藤川阪神の本当の勝負は10月から始まる
阪神には個々の能力を含め、リーグ屈指の戦力があることに変わりはない。しかし、ペナントレースを制することと、クライマックスシリーズを突破して日本シリーズへ進出することは、まったく別の戦術とコンディション管理を求められる。

過去の歴史が証明しているように、短期決戦ではレギュラーシーズンの貯金や順位のアドバンテージすら一変する怖さがある。

リーグ優勝はゴールではない。過去のCSが証明してきたように、日本シリーズへの道は10月から始まるのだ。藤川阪神が本当の意味で“強いチーム”になれるかどうか──その答えは、これからの後半戦の戦い方にかかっている。

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