「4代目ミスタータイガース」結婚報道の裏で起きた悲劇…甘い蜜に群がるタニマチの闇【記者失格シリーズ】

 

保証人という名の罠…雪だるま式に膨れ上がった1900万円の借金

当然、Kからは何の連絡も来ていなかったが、ある日、「近況を報告したい」とKから連絡があり、こう相談を待ちかけてきた。
「今度、弁当屋の経営を始めることにした。ついては、仕事に必要な中古車を買いたいので保証人になってくれないか」

中古車の価格は50万円。掛布の件を含め、情報源として世話になっていた一面もあり、私は第3保証人になった。

ほどなくしてKと連絡が取れなくなった。姿を消したKをあちこち探し回ったが見つからず、Kの経営する中華料理店も倒産していた。Kは今に至るまで見つかっていない。それでも当時は、「保証人も第3だし、そう大事にはならないだろう」と高を括っていた。

しばらくは何もなかったが、1年ほど経ったある日、取り立て屋が私の元に乗り込んできた。サラ金からヤクザや闇金を経由した私への借金は、利息を含めて300万円強になっていた。今思えば、最初から私を騙そうとして仕組んでいたのかもしれない。

当然ながら会社は保証人の金まで面倒はみてくれない。ボーナスを前借りし、借りられる所から借りまくった。それでも追いつかず、最終的にはローンで購入したばかりの新居を売りに出し、サラ金にも手を出した。その間も利子は雪だるま式に膨らみ続け、最終的に借金は1900万円ほどに。勤めていた大阪スポニチを退社し、退職金で清算せざるを得なかった。

今なら自業自得だったことがよく分かる。この掛布の一件に限らず、当時の私はスクープを抜く快感が忘れられず、大金をつぎ込んで無謀な取材をしていたからだ。人を見る目もなかったのだろう。

後に掛布も多額の借金問題で苦しむことになったのは皮肉な話だが、プロ野球のスター選手の周りには怪しい人間が群がってくるということを思い知らされた。

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吉見健明

1946年生まれ。スポーツニッポン新聞社大阪本社報道部(プロ野球担当&副部長)を経てフリーに。法政一高で田淵幸一と正捕手を争い、法大野球部では田淵、山本浩二らと苦楽を共にした。スポニチ時代は“南海・野村監督解任”などスクープを連発した名物記者。『参謀』(森繁和著、講談社)プロデュース。著書多数。