田淵幸一と沢松姉妹の極秘交際…52年間封印されたお嬢様との純愛と西宮の豪邸テニス
私がスポーツジャーナリストとしてやってこれた大きな要因の1つに、高校時代から親しく付き合ってきた田淵幸一(79)の存在がある。
法政一高時代は田淵の控え捕手、法政大野球部でも常に一緒だった。私は田淵が阪神タイガースに入団(1969年)する前の高校時代から家族ぐるみの付き合いをしており、その人脈があったからこそスポーツ紙記者にもなることができた。
実際、田淵ネタに関しては誰にも負けなかった自負がある。あまりに近かったため、スポーツ紙記者時代には逆に書くことができなかった特ダネも多々あったが、後に週刊実話の記事などで一部書いている。
記者になってから一度も記事にしなかったエピソードの1つには、田淵とテニス界のアイドル的スターだった沢松姉妹(姉・順子さん、妹・和子さん)との"今だから明かせる話"がある。
沢松姉妹は1970年の英ウィンブルドン女子ダブルスでベスト8に入り。日本中にテニスブームを巻き起こしていた。
妹の和子さんは'75年にアン清村と組んで日本人初のウィンブルドン女子ダブルス優勝を果たすなど、まさにテニス界の女王となっていく。
テニス界のプリンセスに一目惚れした猛アプローチ
そんな沢松姉妹と田淵の出会いは、兵庫県西宮市のテニスコートで開かれたある新聞社が企画したイベントだった。妹の和子さんは170センチを超える長身で、そんな姿に一目惚れした田淵が猛アプローチして電話番号を交換、姉妹との交流が始まった。
沢松家は姉妹の祖父の時代からテニス界で活躍してきた名門一族で、姉妹はスターであると同時にお嬢様でもあったが、田淵の初々しいアプローチもあって当初、交際は家族からも好意的に受け取られたようだ。
こうして親しく電話で話しを交わしているうちに、田淵が沢松姉妹の自宅に招待されることになり、私も友人として同行することになった。西宮の一等地にある豪邸の前に立った時のことはよく覚えている。
阪神の若きプリンスとテニス界のプリンセスの極秘交際の現場に居合わせることができた興奮と緊張に、単なる付き添いでしかない私まで足が震える思いだった。大概のことには動じない性格の田淵も、正門の呼び出しボタンを押す時は、かすかに指が震えていた。
門を潜って進むと見渡すほどの庭が広がり、その一角にはプライベートのテニスコートがあった。応接間に通され、御両親に型通りの挨拶を済ませると、ようやく緊張も解けてきた。すると、すぐ姉の順子さんが言い出した。
「2人ともスポーツマンだから、テニスもできるでしょ。練習がてらダブルスでテニスしません?」
私は戸惑ったが、田淵が「しましょう!」と即答したので断れなくなった。私はテニスをやったことなど一度もないからだ。和子さんが嬉そうに田淵にラケットを手渡し、可愛らしい笑顔を見せる。
田淵も少年のような笑顔で応えながら「負けないぞ! ダルマ(田淵が私に付けたニックネーム)も、しっかりやれよ!」と、本気で私を叱咤した。体力にはまだまだ自信があったが、やはりテニスは勝手が違う。
田淵はさすがの運動神経で沢松姉妹相手にラリーで打ち合ってみせたが、私は終始、みんなの足を引っ張ってしまう"火ダルマ"状態だった。
田淵は「ダルマ、そんなにヘタじゃあ2人に失礼だよ」と呆れたが、順子さんが「でも、ダルマさんも良かったわよ」と、フォローしてくれたのが嬉しかった。
ここで田淵が和子さんと混浴、いや混合ダブルスを組むような場面はなかった。つまりは、まだそのぐらいの距離感での昭和らしい清純な交際だった。
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