1億5000万円の契約金を棒に振った...マイナー契約・佐々木麟太郎の野望といばらの道

 

偉大な先達が歩んだ道へ…海外の有望株を呼び込む看板としての期待


いずれにせよ佐々木を突き動かしているのは、まぎれもなく子どもの頃からの夢だ。小学生時代にはバリー・ボンズに憧れ、今では花巻東高の大先輩にあたる大谷翔平(ドジャース)や菊池雄星の姿が視界に入る。母校の英雄たちが切り開いた道を、自分も追いかけたいという思いが、金額差を上回る決断につながろうとしている。

米大リーグ関係者の間でも、佐々木は「掘り出し物」になり得る逸材として評価されているようで、マーリンズにとっても、過去にイチローや田澤純一が在籍した実績を持つ日本人選手を看板に、海外の有望株を呼び込む材料にできるとの期待も報じられている。

もっとも、待ち受けるのは厳しいマイナーリーグでの下積みだ。ソフトバンクという1軍レベルの環境と厚待遇を捨て、右も左も分からない異国のマイナー生活からメジャー昇格を目指す道のりは、決して平坦ではない。言葉の壁、生活環境の違い、そして何より狭き門をくぐり抜けるだけの実力を証明し続けなければならない厳しさが待つ。

中村晃の引退発表と山川穂高の処遇…翻弄されるホークス一塁手事情


一方でソフトバンクは、佐々木の獲得を見込んで「麟太郎シフト」を進めていた側面もある。同じ左打ちの一塁手・中村晃は7月3日付で今季限りの現役引退をすでに発表しており、不振が続き二軍調整が長引いていた山川穂高(34)の処遇問題も含め、いずれも佐々木の入団を前提とした環境整備という見方があっただけに、今回の一連の動きはホークス球団内の一塁事情も改めて整理を迫ることになりそうだ。山川自身は今季二軍でも本来の成績には程遠く、去就を巡る臆測は今後も続くとみられる。

佐々木は「お金」ではなく「夢」を選ぼうとしている。ただし前述の通り、この進路は本人・事務所による正式な決定発表がまだ行われていない段階であり、大学を休学しての決断となるかも含め、詳細は近く開かれる本人会見で明らかになる見通しだ。

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