クールジャパン機構の累積赤字が540億円に膨張 廃止・統合を含めた検討会が始動

3度目の計画未達で統廃合検討の対象に

クールジャパン機構は設立以来、10年余で2000億円を超える巨額投資を行ったものの、苦戦が続き、'24年度時点での累積赤字額は383億円に上った。単年度で見ると、'24年度の純損益は初めて約15億円の黒字に転じたが、スパイバーの私的整理による損失が響き、'25年度決算の純損益は156億円の赤字に転落、'25年度までの累積赤字は540億円にまで膨らんだ。

官民ファンドは、各年度の累積損益が3度計画を下回ると政府が統廃合を検討するという規定があるが、'20年度、'21年度に続き、'25年度も計画を達成できなかったため、統廃合検討の対象となった。

赤沢亮正経済産業相は、「早期に検討会を立ち上げ、要因や責任を含めて議論する」と表明。クールジャパン機構を所管する経済産業省は近く、有識者を交えた検討会を設置し、統廃合に向けた協議を始めることになった。

出資額以上の回収はほぼ不可能な現実

政府はクールジャパン機構に1406億円を出資しており、廃止になると出資した公的資金が回収できるかという問題にも発展しかねない。その場合、クールジャパン機構は出資先企業の株式を売却する方法で資金を回収することになるが、出資額以上の回収ができる可能性は極めて低い。

クールジャパン機構の運営について、官民ファンドに詳しい専門家は「投資には徹底した市場調査が不可欠だが、投資先の範囲を広げ過ぎた結果、不十分になっていたのではないか」と指摘している。

高市早苗首相は成長戦略の17分野の打ち出し、そのうちの1つがコンテンツ分野だ。'33年度までにゲームに24兆5000億円、アニメ3兆3000億円、マンガ1兆6000億円、音楽3兆円、実写1兆3000億円を投資する方針だが、成功の可否はクールジャパン機構の失敗をどう生かせるかに懸かっている。

「クールジャパン機構のように総花的に手を出すのではなく、全体をコントロールした戦略的な投資が必要だ。有識者の検討会では、クールジャパン機構の失敗をきちんと検証してもらいたい」(同)

巨額赤字がまた"くーる? ジャパン"。

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