「本音がまったくつかめない」高市早苗の“正体不明”な政治手法…孤立する首相を救った麻生太郎の一手【歴代総理とっておきの話】

麻生太郎が一肌脱いだ「国力研究会」の思わぬ行方

これでは困る。ついに一肌脱いだのが、政権“生みの親”麻生副総裁であった。この期、あえて自民党内に「政府と自民党は一体として政策を実行する」と強調した趣意書のもと、「国力研究会」と名付けた高市首相を支援する議員連盟を発足させた。

議連に参加したのは自民党の衆参議員計417人のうち347人と、じつに党所属議員の8割超と驚くべきもので、議連の最高顧問には麻生、会長に加藤勝信前財務相が就任。そのほかにも茂木敏充外相、小泉進次郎防衛相、小林鷹之政調会長ら、高市にとっては前回総裁選で競った“ライバル”たちも参集したという具合だった。

前出の自民党ベテラン議員は、こうも続けていた。

「麻生氏とすれば、ほどほどの人数が集まればキングメーカーとして高市首相、あるいは“ポスト高市”に影響力を発揮できると読んでいたのだろう。

ところが、実際は“みんなで入れば怖くない”ということか、とんでもない数字に膨れ上がり、麻生氏とすれば目論見が外れた。いまや、この議連は、高市への『独断監視議連』になっていくという声もある」

日本初の女性首相として「ガラスの天井」の旧弊を打ち破ってみせたものの、また新たな手強い「天井」の出現に、とまどい始めている高市である。
(本文中敬称略/完=次号からは小林吉弥氏の新連載『怪人/快人伝』が始まります)

「週刊実話」7月16日号より

小林吉弥(こばやし・きちや)

政治評論家。早稲田大学卒。半世紀を超える永田町取材歴を通じて、抜群の確度を誇る政局・選挙分析に定評がある。最近刊に『田中角栄名言集』(幻冬舎)、『戦後総理36人の採点表』(ビジネス社)などがある。