「関係を強要され漫画が描けなくなった」…元漫画家が告発するマンガ業界の性被害【マンガ業界の深淵・後編】

「好きな作家には会うな」の理由

これからデビューを控える新人漫画家は、数カ月間のアシスタントに出向かされることが多い。効率的な作画の進め方や、自身もこれから雇わなければならないアシスタントへの指示の方法などを学ばせるのが主な目的だ。
それならば当然、昔から憧れだった有名漫画家の元で学ぶことを誰もが希望するが、都合よく先方が受けてくれるとは限らない。

新人女性がベテラン男性漫画家のアシスタントを希望する場合は、なおさら編集者に断られる。これまで述べてきたような男性漫画家特有の若い女性への執着心により、男女関係に発展する例が珍しくないからだ。

「わたしは連載デビューを目指している時期に、憧れの作家さんにSNSで直接連絡を取り、スタッフとして雇われたんです。仕事を終えると他のスタッフは全員帰される中、マンツーマ ンでわたしに作品指導してくれたのですが、ものの1週間もしないうちに関係を強要されるようになりました。ただ、神のように慕っていたので、『お前の作品には色気がないのは、経験がないからだ』といった言葉もその頃は信じ込んでしまったんです」(元漫 画家・33歳)

この漫画家は同時に、彼女の担当編集者や友人、家族などをすべて猛批判。よくあるインチキ占い師と同様、彼女を孤立させ、自分だけを信じ込ませる手口で一年近くも彼女を弄んだ。

「この経験をきっかけに漫画自体描けなくなりましたが、『マンガワン事件』もあって某週刊誌に告発したところ、わたしのような被害者はとても多いそうで。 加害者側の知名度のせいでわたしの件の記事化は様子見のようですが、現在、弁護士に相談して訴訟準備を 進めています」(同)

性加害や人権問題に厳しい令和の現在では、過去のこうした悪行が発覚すれば即座に連載中止は免れない。それどころか、過去の作品すべてに出荷停止措置が取られる可能性すら否めないだろう。

天網妖々疎にして漏らさず。今頃ビクビクしながら過ごしている有名漫画家も少なくないはずだ。

『週刊実話 ザ・タブー』7月8日号より

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