家賃値上げを拒否する権利はあるのか 弁護士が解説する借地借家法と「定期借家」の落とし穴

物価高で家賃も倍増

住宅の賃貸契約は、契約の一定期間が経過した後でも、入居者(借主)がそのまま継続して住みたい意向を示せば更新できる「普通借家契約」が一般的。しかし今、家賃相場の上昇により、貸主と借主の間で家賃の値上げトラブルが続出している。

都心部在住の男性は「契約更新のタイミングで管理会社から家賃を3万円も値上げしたいという書類が届き、困惑している」と語る。

家賃値上げには双方合意が不可欠

「家賃の値上げは借地借家法に基づき正当な理由が必要で、貸主と借主の双方の合意が不可欠です。そのため一方的に値上げ後の家賃や退去を求めることはできません」(弁護士)

つまり「普通借家契約」では、家賃の値上げを打診されても借主が断れば、据え置きの家賃のまま住み続けられるという契約条件である。しかし、最近では入居者の退去後、新たに契約を結ぶ際に値上げしやすい「定期借家契約」を選ぶ貸主が増えているという。

「定期借家契約」は転勤や建て替えの間の1〜2年限定で、貸し出したいという貸主が利用するケースがあったが、賃料の動向に合わせて貸主主導の賃貸契約を結びたい戦略的な契約が目立つ。

「定期借家契約の場合、契約期間中の家賃は据え置きですが、再契約時に家賃の値上げに応じなければ退去させることができるという貸主に有利な契約条件なのです」(大手不動産業者)

再契約時の強引な値上げ交渉に注意

「都心部立地や設備が整ったファミリー向けマンションは、定期借家契約でも需要があります。しかし、貸主が定期借家契約の再契約時に立ち退きを求めつつ、強引な値上げ交渉を行いトラブルになりやすい」(不動産アドバイザー)

定期借家契約は原則として借主からの中途解約が難しく、貸主の都合で再契約を拒否される可能性もあるので、長く住み続けたい人にとっては大きなリスクになりそうだ。

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