【新・怪談祭り】除霊代がギャラ超えでイベント封印!?──灰皿が割れた“本物怪異”の12年ぶり復活ライブ



■ “怪談なのに居心地がいい”──恐怖と笑いが同居する芸人怪談の空気

(左から)花ブービー・水上、國澤一誠、アイアム和田、本田兄妹・あやの、夫婦 ミウラ

普通であれば、これだけのタブーと恐怖が続けば客席は疲弊し、空気は重苦しくなる。しかし、新・怪談祭りが唯一無二である理由は、怪異のガチ度が高すぎるからこそ発揮される、芸人ならではの凄まじい「緩和(お笑い)」の力だ。

象徴的だったのは、水上あめんぼが怪異を証明するために自作の「カラーコピーの怪異写真」をステージで掲げたシーンだ。おどろおどろしい怪談の最中、和田と國澤がすかさず「会場にはモニターっていうものがあってね…」「カラーコピーじゃなくても大きく見せられるよ」と優しいツッコミを炸裂。客席はふっと温かい笑いに包まれ、恐怖が極上のエンタメへと昇華された。

後半戦では、12年前からイベントを支えてきたレギュラー陣が、新ゲストである夫婦ミウラと水上あめんぼの2人を決して孤立させず、自然と話の輪の中へ招き入れる姿が印象的だった。特に、國澤一誠が水上あめんぼにそっと耳打ちし、それに応えるようにあめんぼが自ら話を切り出した場面は、怪談の最中とは思えないほど温かく、ほほえましい瞬間だった。恐怖を語りながらも互いを尊重し、支え合い、笑い合う──彼らの人柄が生む温かい空気感が、終始、会場の居心地の良さを担保していた。

■除霊貧乏から復活へ──怪談×お笑いが生む新しい怪談ライブの形

終演後のインタビューで、和田は「やっぱり何か(怪異が)起きてほしかったなというのはありますけど、ちゃんと怖いとお笑いのバランスがちょうどよかった」と手応えを語り、あやのも「12年ぶりなのに、こんなにも聞いたことがない話がたくさんあった」と目を輝かせた。

かつては「除霊貧乏」によって活動休止に追い込まれた興行であり、國澤も「今は芸人を辞めて田舎でお店を出している」という環境の変化があったが、彼らの絆は本物だ。國澤が「辞めてDIYをしている時も和田さんがわざわざ手伝いに来てくれた。ここからまた和田さんのお金でいっぱい飯食おうと思います(笑)」と語ったように、この信頼関係があるからこそ、最後まで一度も空気が緩むことのない、なかだるみゼロの特別な夜が生まれたのだ。

今回は物理的な怪異の発生こそなかったものの、お笑いと恐怖が高次元で調和した現在のスタイルであれば、ライト層をも巻き込むポテンシャルは十分にある。主催陣が様子を見ながら見据える「シリーズ復活・定期開催」という新たな挑戦がどう芸能界のトレンドを動かしていくのか、今後の展開に大いに注目したい。

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