長嶋茂雄の伝説語録を一挙公開 『魚へんにブルー』『I live in EDO』笑い泣き必至の名迷言集【前編】

■第2章 「魚へんにブルーですよ」——日本語もミスター流

英語だけではない。長嶋の「日本語」もまた独創的だった。最も有名なのが、「鯖(さば)の漢字は魚へんにブルーですよ」というエピソードだ。

魚へんに「青」と書いて「鯖」と読むが、長嶋の頭の中で「青=ブルー」と瞬時に翻訳されてしまう。このエピソードは、元巨人の“デーブ”こと大久保博元が「自分も長嶋さんから教えてもらった」と複数のメディアで証言しており、信頼性の高いエピソードである。

また、長嶋は「重言(じゅうげん)」の天才でもある。「疲労の疲れ」「体力の力」「秋の秋季キャンプ」「お昼のランチタイム」「状態の良い状態」「大変身はイメージチェンジ」――同じ意味の言葉を重ねてしまう癖は、会話のテンポの速さと情熱の裏返しだったのかもしれない。

引退セレモニーで「永久に不滅です」と言ったのも、「永久」=「不滅」で厳密には重言だが、かえってその力強い響きが名言として刻まれた。

指導の際の擬音語も伝説的だ。打撃を教える際に「パアーッと、ダアーッと、パーン、パッ、サッ、タッ、ブワァー、ヒュッ、キュッ、スパーン、ブン、シュン、ガッといく」と指導する。

言葉の意味を解読できなかった選手も、引退後に「あの意味がようやくわかった」と証言している者がいるほどで、感覚で野球を生きてきた天才ならではの言語体系がそこにあった。

「好きな四字熟語は?」と問われて「長嶋茂雄」と答えたのも、もはや伝説の域だ。自分の名前を四字熟語と捉える発想は、誰も思いつかない長嶋流の答えだった。