72歳で現役続行! 藤波辰爾が明かす“引退しない理由”と猪木イズム

前田日明との死闘で残った傷跡

「長州、やるか!?」宿命のライバルへの変わらぬ想い

――日本人のライバルは、やはり長州さんですよね。
藤波 長州が先輩である僕に噛みついたのが抗争のきっかけだけど、あれも勇気がいることだし、誰かの入れ知恵というか、背中を押す人がいないとできないと思うんですよね。僕は猪木さんだと思ってるけど(笑)。猪木さんは順風満帆で波風立たないのを一番嫌うから。でも、だからこそファンは興奮するわけで。まあ、やる側はたいへんですけど(苦笑)。

――現在、長州さんと芸能のお仕事などで一緒になるときの気持ちというのは?
藤波 長州も変わったなって(笑)。でも、まだ元気そうだし、もし僕が「長州、やるか!?」っていえば、リングに上がりそうな気もしてるんですけどね。彼のキレてる姿を、また見たいですよ(笑)。

――あらためて、印象に残っているご自身の試合は?
藤波 長州との試合も印象深いけど、一番は猪木さんと60分フルタイムドローをやった試合ですね(※’88年8月8日・横浜文化体育館)。猪木さんに学んだプロレスの集大成を、60分の中で出せたのかなと。すごく心地のいい戦いで、このまま終わらないでほしいという気持ちになりましたし、あの試合は僕にとって宝です。

――ファンのあいだでは、’86年6月12日の大阪城ホール大会で、前田日明さんと両者KOの死闘を繰り広げたのも語り草です。
藤波 いまでも額に、前田の回し蹴りを食らった傷跡が残ってますよ。それから何年か経って彼と対談したときに、「藤波さん、その傷どうしたんですか?」って聞かれて、「オマエにやられたんだよ!」って言いましたけど(苦笑)。

――最後に、今後目指すところを伺わせてください。
藤波 とにかく「さあ、これから何をやろうかな?」という感じなんですよね。息子はビックリしてるけど(笑)。例えば自分は城巡りが趣味で、2年前に北九州の小倉城で〝お城プロレス〟を開催して、ファンもすごく喜んでくれたんですよ。

――そのシチュエーションは盛り上がりそうですね。
藤波 そういうみんなが元気になるようなことをやっていきたいですね。リングって、僕にとってパワースポットなんですよ。だからこそ、これからも現役にこだわっていきたいですね。

デビュー55周年記念特別企画展「人間・藤波辰爾展」
8月6日~8月16日の期間、東京・アートコンプレックスセンターで開催!

「週刊実話」7月2・9日号より

◆ふじなみ・たつみ=1953年12月28日生まれ、大分県出身。’71年デビュー。新日本プロレス創成期から第一線を走り、ジュニア、ヘビー級の両戦線で数々のタイトルを獲得。長州力との「名勝負数え唄」などプロレス史に名を刻み、「ドラディション」の旗揚げや団体運営にも尽力。2015年にWWE殿堂入りを果たし、今年5月にデビュー55周年を迎えた。