失明危機、週3回の人工透析…コージー冨田が笑顔で語る「これが自分の世界」

今もライブステージに立ち続ける理由

コージー冨田(C)週刊実話Web
――人工透析は時間的にも体力的にもしんどいと聞きます。冨田さんの場合はどうですか?

冨田 合わない人も多いと聞きますが、僕には合っていたようでラッキーでした。最初はもちろん、きつかったのですが、慣れてきた今は何でも食べられるし快調です。後輩からは人工透析する日のことを「明日はメンテナンスですか?」なんて言われるくらい、ルーティンになりました。透析後はすぐに仕事に行けますし、全国どこにでもクリニックはありますから営業の話が来たら飛んでいきますよ。

――とはいえ、週3回、毎回4時間は大変そうです。
冨田 僕の場合はコンテンツ見放題のサブスクに助けられてます。透析のベッドには頭上にテレビが1台ついていて、仰向けのまま視聴できるんです。顔を思いきり近づければ画面はボンヤリ見えますし、画面の状況を説明してくれる副音声というのもありますからね。なので、見損ねていた連続ドラマを見倒すには絶好ですよ。最初にハマったのはNHKの朝ドラ『おしん』。放送当時は見てなかったので、297話もあるから時間つぶしにはもってこいです。透析に行くのが楽しみになるくらいで、次が待てずに家でも見ちゃったりして。実は2周目まで見ちゃったんです(笑)。

――なかなかにポジティブな闘病生活ですね。同じ病気に苦しむ方へのアドバイスなどはありますか?
冨田 人工透析を始めるとき、看護師さんに言われたんです。「冨田さん、インスリンを打つのは嫌じゃなかったですか?」と。「はい、嫌でした」と答えたら、「今までの生活にないことをやるのは嫌ですよね。でも、今はどうですか?」「今はなんともないです」「透析もそうなりますよ。もうライフスタイルになりますから」って。確かにそうなりました。そこで思うのは、「受け入れること」なんですよね。目だって、見えないんじゃなくて「これが自分の見えてる世界なんだ」って受け入れてしまう。人によって、当たり前って違うじゃないですか。テレビには副音声という便利なものがあるし、インターネットの世界には読み上げ機能というものもある。見えない身になったことを「不幸」と呼ぶ人もいるかもしれないけれど、僕はこれを「ただ不便なだけ」と思うようにしています。先ほどの読み上げ機能なんて本当に便利ですよ、本は読めなくなったけれど、感情たっぷりに読み上げてくれるんですから。『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)なんか、黒柳徹子さんの声で読み上げてくれるんです。子守歌みたいに聞こえてきて、本当によく眠れる(笑)。

――今もステージには精力的に立たれてるんですね?
冨田 長年出演している『そっくり館キサラ』はステージの広さが体に染みついてるので、それこそ目をつむってでも勘で動けます。共演者からは「本当に見えてないんですか?」と言われるほど。逆に初めてのステージだと入念なリハーサルは必要ですが、何も見えてない分、緊張もしなくなりましたね。以前は「あそこのお客さん、笑ってないな」とかが気になっていたけど、今は聞こえてくる笑い声がすべて。より大きな笑い声をと、ネタの構成には以前よりさらに真剣に向き合うようになりました。

「週刊実話」6月18日号より

コージー冨田

1967年2月24日生まれ。愛知県出身。ものまねのレパートリーは70人超。平成12年度ゴールデン・アロー賞新人賞(芸能)を受賞。6月26日、コージー冨田完全プロデュース『ものまねアドリブライブ』を東京・初台の『SPACE Y』にて主催する。