「殺意」を認めながら「殺人罪」は否認――旭川女子高生殺害事件、裁判員が判決で迫られる“究極の選択”

画像はAIで生成したイメージ

SNSをめぐる些細なトラブルから、17歳の女子高校生が神居大橋(北海道旭川市)から石狩川へと転落し命を絶った「旭川・女子高生殺害事件」。同事件で殺人や不同意わいせつ致死などの罪に問われた内田梨瑚被告(23)の裁判員裁判は、6月8日に結審し、検察側は「最期まで苦痛を与え続け、痕跡すら残らない方法で殺害した」と断罪、懲役27年を求刑した。

だが、その緊迫の法廷で浮かび上がったのは、「殺意」を認めながらも「殺人罪」は頑なに否認するという内田被告の強烈な矛盾だった。そのためか、6月22日の判決日、6人の裁判員がどんな「究極の判断」をするが注目されているのである。

怒号と監禁、SNSのトラブルが招いた凄惨な犯行

事件が起きたのは2024年4月。内田被告は、自身が写った画像データをSNS上に無断転載した当時17歳の女子高校生に激怒。共犯者の女(当時19歳・現受刑者)らとともに被害者を車内に監禁し、暴行を加えながら旭川市内の神居大橋へと連行した。

深夜の石狩川。内田被告らは被害者の衣服を剥ぎ取ってその様子を動画で撮影し、高さ約4メートルの橋の欄干に座らせた。冷たい川面を見下ろす恐怖のなかで、被害者に浴びせられたのは「落ちろ」「死ねや」という容赦のない怒号の嵐だった。

追い詰められた女子高校生はそのまま川へと転落し、溺死という最悪の結末を迎えることとなった。

「殺意と言われても当然」――自ら認めた被告の言葉と大いなる矛盾

本裁判における最大の争点は、「被告に殺意があったのか」、そして「誰が被害者を落としたのか」という点に集約される。

法廷で注目を集めたのは、検察側の被告人質問に対する内田被告の驚くべき供述だった。

「被害者に対してどれくらい腹が立っていたのか」と問われると、内田被告は「警察には『ナイフがあったら刺していたと思うくらい腹が立っていた』と話した」と吐露。さらに、こう続けたのだ。

「当時は殺意を持って欄干の上に座らせたり体を押したりしていたわけではないですが、今はそんな危険なことをしていたので、殺意があったんじゃないかと言われても当然だと思います」

自身の行為の危険性を認め、「殺意を疑われても仕方がない」とまで踏み込んだ内田被告。しかし、その直後には「私に殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」と殺人罪を平然と否認したのだ。

また、弁護側も最終弁論で「被告は女子高生が落下する場面を見ていない」と主張。実行行為を全否定し、殺意を認めながら殺人は否認するという、奇妙な矛盾を浮き彫りにしたのである。

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