居酒屋の倒産がコロナ禍超えの過去最多ペース 「飲みにケーション」文化崩壊の代償

もはや大衆居酒屋はオールド飲食店?

銀座の居酒屋も閑古鳥、ため息が漏れるインバウンドで賑わう東京・銀座で長年、居酒屋を経営する店主は「ゴールデンウイークが明けて1カ月以上経つというのに、客足が戻って来ない」「うちの店だけでなく近所の居酒屋も閑古鳥が鳴いている。居酒屋の時代は終わるんですかね」とため息をつく。

倒産88件、コロナ禍を大幅に上回る過去最多

居酒屋の倒産が現在、過去最多ペースで増えている。東京商工リサーチによると、2026年1~4月の倒産件数は88件。過去最多を記録したコロナ禍明けの'24年(同時期)の59件を大きく上回っている。

「コロナ禍を境に忘年会、新年会、歓送迎会、取引先の会社接待が激減しました。そうすると、個人の常連客に期待するしかないんですが、その個人客も物価高の影響で財布の紐が固くなり、来店してくれる回数が減っているんです」(同)

居酒屋側も食材費や光熱費の高騰に歯止めが掛からないため、メニューの値上げに踏み切らざるを得ない選択を迫られ、さらに客足が遠のくという悪循環に陥っている。


「飲みにケーション」文化の崩壊も追い打ち

「居酒屋の顧客減少は、値上げだけではありません。働き方改革や残業減も影響しています。一般企業では昔は上司や先輩、同僚が仕事終わりに『飲みに行こう』と誘われたものですが、今ではそれがなくなった。"飲みにケーション"の文化が廃れ、居酒屋離れに拍車を掛けました」(食通アナリスト)

専門店はサイゼ・串カツ田中も増収増益

その一方で、回転寿司、焼き肉、焼き鳥、イタリア料理などを専門とする大手外食チェーンは、軒並み売り上げを伸ばしている。

ミライザカや三代目鳥メロなどを運営する『ワタミ』、牛角やかっぱ寿司などを傘下に置く『コロワイド』、イタリアンファミリーレストラン『サイゼリヤ』、串カツ専門の『串カツ田中』は、いずれも増収増益となっているのだ。

「居酒屋第4世代」がSNSで専門店に誘導

「要するに"何でもある総合居酒屋"から、焼き肉、焼き鳥、唐揚げ、寿司、串カツのような専門店にお客が移動し始めているんです。コスパの良さをSNSで共有する"居酒屋第4世代"がリードした結果です」(経済ジャーナリスト)

最早、大衆居酒屋はオールド飲食店になりつつある。

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