波浪注意報の中の出航、無資格ドライバー…相次ぐ高校生死亡事故の共通点

学校側の安全管理体制の問題が浮上

ヘリ基地反対協議会が運航していることをきちんと把握していないなど、学校側の安全管理体制に問題が浮上。校長は記者会見で、波浪注意報の中、出航したことについて、「船長が大丈夫ということで覆す判断に至らなかった。認識、判断に甘さがあった」との見解を示した。

同志社国際高校を運営する学校法人同志社は第三者委員会を設置し、乗船プログラムが始まった詳細な経緯や学校側の対応の問題について調査を進めている。

第11管区海上保安本部は、安全管理体制や出航の判断に問題がなかったかなど、業務上過失往来危険、業務上過失致死傷、海上運送法違反の疑いを視野に入れ、ヘリ基地反対協議会への家宅捜索に踏み切った。

文科省は4月7日、全国の自治体に対し、校外活動の安全確保を徹底するよう求める通知を発出。同24日には、学校法人同志社に幹部を派遣し、学校側の安全管理状況などの調査を実施した。京都府も学校の危機管理マニュアルに不備があるとして、マニュアルを見直して再発防止策を策定するまで校外活動を自粛するよう要請した。

白ナンバー・無資格ドライバーが招いた惨事

5月6日午前7時40分頃、福島県郡山市の磐越自動車道で北越高校の男子ソフトテニス部員20名が乗ったマイクロバスがガードレールなどに突っ込み、3年生の稲垣尋斗さん(17)が死亡、5人が重傷を負う事故が起きた。

稲垣さんは対向車線まで投げ出されていた。福島での練習試合に向かう途中だった。

福島県警はマイクロバスを運転していた無職・若山哲夫容疑者(68)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで逮捕。同容疑者は「制限速度が時速80キロの区間で90~100キロを出していた。速度の見極めが甘くカーブを曲がり切れなかった」と供述しているという。

若山容疑者は今年に入ってから数回、事故を起こしていた。大型1種免許は持っていたが、旅客運送に必要な大型2種免許を持っていなかった。

北越高校側から依頼を受けたバス会社『蒲原鉄道』(新潟県五泉市)は、北越高校から「貸し切りバスは高いのでレンタカーを使いたい」「ドライバーを紹介してほしい」との依頼を受け、レンタカーを借り、ドライバーとして営業担当者の“知り合いの知り合い”だった若山容疑者を見つけてきたと主張している。

一方、北越高校は「蒲原鉄道の貸し切りバスと運転手が手配されると思っていた」とバス会社の主張するような依頼事実を否定したが、バス会社と書面は交わしていなかった。

マイクロバスには、辺野古沖の小型船転覆事故と同様、教員が同乗していなかった。バスは事業用の緑ナンバーではなく自家用の白ナンバーだったが、顧問はバスが白ナンバーだったことを認識していなかった。

福島県警は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで蒲原鉄道を家宅捜索。バスは白ナンバーだったが、対価が支払われていれば事業用の緑ナンバーでなければならず、道路運送法で禁じる白バス行為に当たるかどうか、国土交通省北陸信越運輸局で調査を進めている。