小泉今日子『夜明けのMEW』が照らす“男の思い込み”と1986年の恋愛風景【スージー鈴木の週刊歌謡実話第34回】

小泉今日子『夜明けのMEW』

【スージー鈴木の週刊歌謡実話第34回】
小泉今日子『夜明けのMEW』
作詞:秋元康
作曲:筒美京平
編曲:武部聡志 
1986年7月10日発売

『木枯しに抱かれて』に隠れた1986年の名曲

前前前世ならぬ前前前回のポピンズ『妖精ポピンズ』に続いて、またもやちょうど40年前、1986年モノを取り上げます。

もうすぐ還暦になる私が20歳になった年=’86年のヒットの中から、今回は小泉今日子の曲を。

「キョンキョンは『夜明けのMEW』やろ!」と私は大声で言いたい。

それぐらいの名曲だと思うのです。しかし、どうも世間はそうではないみたい。同じくキョンキョンの’86年モノだったら、『木枯しに抱かれて』の方が、明らかに人気がある。

当のキョンキョン自身も、『MEW』を推していないみたいで、最近のコンサートの曲目を検索したら、どうも歌っていないみたい(と思ったら、5月頭の武道館では歌った!)。

というわけで、今回は『MEW』の名曲性をひもときます。『木枯し』派の皆さんも、ぜひご一読ください。

どこが名曲って、やっぱり秋元康の歌詞がいいと思うのですよ。

私は、この曲を聴くと、40年前っぽい、ある風景が浮かんできます。

東京都杉並区方南町のワンルームマンション。床はフローリング。その上に、小さな黒いテレビが直に置かれている。金属製の細く黒い脚で天板がガラス製のテーブル。その上にはコーヒーのカスが敷き詰められた灰皿。時間は深夜3時頃、環七を走るクルマの音が静かに響く。ソファベッドの上に、男性用の大きなワイシャツを着た小悪魔風の女の子が、いじらしい顔をして、こちらを見ている――。

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