【栃木強盗殺人】テレビに出たら「標的リスト」に…資産家「ゴボウ御殿」が狙われた理由と、"次の標的"にならない防犯の新常識

テレビ取材=資産家の証明——加速する標的情報の流通

トクリュウの実態に詳しい刑法学者の樋笠尭士・多摩大学准教授(法務省特殊詐欺研究委託研究官)は、東京都の「特殊詐欺加害防止特設サイト」でこう警鐘を鳴らしている。

「SNSの普及により、犯罪グループは誰にでも接触できるようになりました。テレビ出演やSNS投稿で資産・生活水準を公開することは、犯罪グループが"ターゲット"を選定する際の情報になりえます。裏社会が表に来ている、という現実を直視しなければなりません」

一方、政府広報オンラインが公開する住まいの防犯対策資料でも、「侵入者は犯行前に下見を行うことが多い」と明記されている。その意味では、今回の事件はこの典型であり、標的化から実行まで組織的に進められていたとみられるのだ。

「5分間の抵抗」が命を守る——CP部品の威力

では、どうすれば「次の標的」にならないのか。専門家が今最も重視するのは「侵入に時間をかけさせる」という発想の転換だ。

政府が認定する「CP部品(防犯性能の高い建物部品)」は、試験で5分間以上の抵抗が確認されたドア・錠・窓などを指す。国土交通省の調査では、侵入犯罪の約7割が侵入5分以内で断念していることが示されており、「時間を稼ぐ」設備が最大の抑止力になる。

「センサーライトや防犯カメラを外部から見える位置に設置し、侵入しにくい家であることをアピールすることが重要です。侵入者は犯行前に下見を行うことが多いので、狙われにくく、侵入されにくい住まいになっていることが防犯につながります」(政府広報オンライン『住まいの防犯対策』(内閣府広報)より)

ちなみに、専門家や政府資料が指摘する「次の標的にならない」ための防犯行為は、以下の6項目に及ぶ。

① SNS・テレビで資産・家族構成・生活水準を必要以上に公開しない
② 防犯カメラとセンサーライトを「外から見える位置」に設置する(ダミー不可)
③ 玄関・窓にCP部品(防犯認定錠・補助錠・防犯ガラス)を導入する
④ 自宅に必要以上の現金を置かない
⑤ 不審者・不審車両を見かけたらためらわず110番通報する
⑥ リフォーム業者・訪問販売など「家の中を見せる機会」を最小限にする