初カツオが1キロ5000円超 黒潮大蛇行と中東情勢悪化で高級魚化が止まらない

カツオ

勝負運や出世運上昇を願う縁起物で春を代表する魚、初カツオの高値が続いている。近年、黒潮の流れが大きく曲がる大蛇行の影響に加え、今年は中東情勢の悪化が直撃しているからだ。

カツオはミネラル、ビタミン、鉄、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれ、江戸時代から太平洋沿岸の各地で食されてきた。

「江戸時代、初カツオは『女房・子供を質に入れても食え』といわれたほど季節を先取る粋の象徴でした。この時期に初カツオを食べる人は増えますが、昨年からカツオが不漁のため高値が続いており、庶民には手が届きにくくなっているんです」(フードライター)

気仙沼では水産業者への支援制度を設置

今年のカツオ漁も全国的に水揚げが少ない傾向にある。生鮮カツオが記録的な不漁になった宮城県気仙沼市では2月、水産業者に10~50万円を支給したほか、融資を受けた際に3年間、利子を全額補助する制度を設けたほど。

原油が3〜4割高騰、カツオ価格に直撃

「その直後の2月28日にアメリカとイスラエルがイランを攻撃して中東情勢が悪化し、カツオ漁船の燃料となる原油が高騰しました。ただでさえ、黒潮の動きや海水温の変化でカツオの回遊が不安定になっているのに、漁船の燃料が3割から4割に上がった。カツオの価格に影響しますよ」(漁業情報センター関係者)

東京都中央区で日本料理店を経営するT氏は「初カツオは季節感を味わうこの時期の定番食材です。毎年、初カツオを楽しみに来ているお客さんもいるんですが、豊洲に買い出しに行ったら、1キロ5000円以上もする。料理の値段を上げるわけにはいきません。赤字覚悟で提供しています」と厳しい台所事情を語る。

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漁船が出港しない最悪の事態も現実味

カツオを獲る大型漁船の場合、年間の燃料費は約1億円。重油価格が10%上がれば、単純計算で年間1000万円の経費増になるという。

「たとえイラン戦争が終結しても重油の価格は即、下がるわけではない。夏に向かって重油の価格はさらに高騰するといわれている。漁に出ても赤字になるため、カツオ漁船が出港しないという最悪の事態も考えられます」(漁業ライター)

カツオ離れが懸念される。

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