コロナ禍で多くの飲食店がダメージを受ける中、居酒屋「九州熱中屋」や「わらやき屋」などの個性的な店舗を運営している『DDホールディングス』(旧ダイヤモンドダイニング)が、2021年度決算で約85億円の巨額損失を計上。この赤字によって、一気に債務超過状態に陥ったという。
同社は、2001年に創業者の松村厚久氏が東京・銀座に吸血鬼の館をモチーフにしたダイニングバー『ヴァンパイアカフェ』をオープンして人気を集めた。
その後の店舗展開も奇抜で、同業態、同ブランドの規模拡大が常識だった外食業界において、あえて「100業態100店舗」という目標を掲げ、10年に達成。15年には東証一部に上場するなど、松村氏は外食業界において一目も二目も置かれる存在だった。
若年性パーキンソン病を発症
松村氏は、女優の高岡早紀との交際が知られる一方で、 06年に若年性パーキンソン病を発症。病気と闘いながら会社をけん引するなど、公私にわたって話題に事欠かない人物だ。
そんな松村氏が率いるDDホールディングスは、この危機にどう立ち向かっていくのだろうか。
「もともとDDホールディングスの事業拡大は、金融機関からの借り入れを中心に、M&Aを繰り返すことで成立してきました。しかし、債務超過状態に陥ったとなると、今後は金融機関の出方も変わってくる。当面は関係会社の整理をはじめ、事業の縮小に奔走しなければなりません」(経営コンサルタント)
しばらくは我慢の経営を強いられそうな松村氏。しかし、世の中は少しずつアフターコロナにシフトしつつある。外食業界を再び盛り上げるためにも、コロナ収束後に〝不屈の風雲児〟が、どんな一手を打つのか注目したい。
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