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肺や肝臓まで達する深い傷も…「大阪カラオケパブ」女性店主殺害の闇

(画像)Sam Wordley / shutterstock

6月14日、大阪市北区のカラオケパブでオーナーの稲田真優子さん(25)が殺害された事件で、大阪府警は18日に会社員の宮本浩志容疑者(56)を殺人容疑で逮捕した。

宮本容疑者は「店には行ったが、やっていない」と容疑を否認しているという。

捜査関係者によると、宮本容疑者は11日の午後9時以降、天神橋4丁目の雑居ビル5階にある『カラオケパブごまちゃん』の店内で、稲田さんを鋭利な刃物で襲って失血死させた疑いが持たれている。現場から凶器は見つかっておらず、容疑者が持ち去ったものとみられる。

14日午前、稲田さんと連絡が取れないことで、その身を案じた知人女性らが店を訪れると、施錠されていたため、ビルの管理人と一緒に鍵を開けて中に入った。すると、血まみれの稲田さんが店の床に仰向けに倒れ、顔の上にはタオルのような布がかけられていた。

「司法解剖の結果、稲田さんは首や胸など上半身を中心に十数カ所を刺され、肺や肝臓まで達する深い傷もありました。店内には売上金とみられる現金が残されており、稲田さんに強い殺意を抱く顔見知りの人物が、事件に関与した可能性が高いとして捜査を進めていました」(捜査関係者)

念願だった店のオープンから5カ月で被害

大阪府警は捜査の過程で、稲田さんが事件前に「しつこく言い寄ってくる客がいて困っている」と、知人らに訴えていたことを把握。交友関係を調べた結果、常連として店に出入りしていた宮本容疑者が浮上した。

稲田さんは兵庫県尼崎市の出身で、家計を支えるため、高校時代から複数のアルバイトをこなしていた。20歳ごろから大阪市北区のカラオケバーで働き始め、気さくな人柄と丁寧な接客でアイドル的な人気を博していたという。

「実家に仕送りを続けながら地道に開業資金を貯め、昨年7月に4年以上勤めたバーを退職。今年1月に念願のカラオケパブをオープンしました。癒やし系の稲田さんの顔がゴマフアザラシの表情に似ていることから、店名がつけられたと聞いています。コロナ禍で一時休業を余儀なくされても、営業再開後は手作りの食事やノンアルコール飲料を提供するなど、工夫を凝らしていました」(知人男性)

稲田さんは夢だった自分の店をオープンしてから、わずか5カ月で惨劇の被害者になってしまった。

宮本容疑者は前の店に通っていたころから、稲田さんに連日しつこくLINEや電話をしていた。府警は連絡が取れなくなった11日の夜以降、2人の間でトラブルがあった可能性があるとみて、さらなる捜査を進めている。

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