最下位→首位争いの舞台裏、村上宗隆「横柄」でチームが壊死寸前だった

明治神宮球場


プロ野球が開幕して1カ月半近くが経過した。

大方の予想を裏切ったのが、昨年最下位に沈んだヤクルトだ。

現在、池山隆寛新監督(60)率いるヤクルトは阪神と首位戦線を争っている。

大半の野球評論家は、今シーズンもヤクルトをBクラス予想。

その理由として、主砲の村上宗隆(26)がポスティングでホワイトソックスにメジャー移籍したことによる戦力ダウンを挙げていた。

さらに、昨年2月に衣笠剛球団会長が死去したことにより、身売り説が再浮上するなど資金面での苦境もささやかれていた。

予想覆した開幕ダッシュの実態


当初の予想とは裏腹に、開幕ダッシュに成功したヤクルトの勢いは続いている。

現役時代、その豪快なスイングで"ブンブン丸"といわれた池山監督は「バントをしない、イケイケのびのび野球」「明るいベンチ」が評価される半面、彼の人間性が選手の士気を高めているという。

元ヤクルト球団幹部は「村上が抜けたことこそ、チームにとって大きくプラスに作用した」と分析している。

【関連】侍ジャパン次期監督選びが暗礁に!井端体制の「内乱」と本命不在の絶望的状況

「村上がいなくなって良かった」


どういうことか。

「2月のキャンプから選手間では、『村上がいなくなって良かった』が共通認識でしたね。池山監督も『君たちのチャンスの場が(村上が)抜けたことで増えたんだ』と、選手たちを鼓舞していた。努力、結果次第でレギュラーへの道が開けた、近くなったチーム状況を明確に示唆したんです」(同)

2022年、村上は本塁打56、打率3割1分8厘、打点134で最年少の三冠王に輝いている。

絶対的なチームの中心選手がいれば、レギュラーに定着していない若手選手は諦めの境地に陥りがち。

だが、村上がメジャー移籍したことで、チャンスが巡ってきたと目の色を変えてプレー、練習に取り組む選手が増えたのだ。

慢心と横柄、誰も注意できず


「チームが明るくなったのも村上絡みです。実は、三冠王を獲得して以降の村上は慢心していて、チームでは誰も注意ができない状態だった。わがままのし放題で聞く耳も持たない。彼の横柄な態度や発言、嫌がらせなどは選手から煙たがられていた。村上がいなくなり、チームのムードは最高に良くなりましたね」(同)

審判団からもマークされていた


村上評を違う角度から聞いてみると、ある審判は「巨人からブルージェイズに移籍した岡本和真は好かれるキャラだが、村上は態度が生意気で審判団からマークされていた。挨拶もろくにできない子でした。抗議する態度、発言も礼儀を欠いていた」と証言した。

譲渡金10億円が若手に還元も


もっとも、ポスティングによる村上の譲渡金は約10億円。

昨年の村上の年俸6億円を加味すると、「チャンスを得た選手たちの給料アップにつながる」(前出・元球団幹部)というから、まさに"村神様様”だ。

(スポーツジャーナリスト・吉見健明)

【関連】ヤクルトが止まらない! 最下位予想から首位へ――鉄壁投手陣と勝負強さの裏側

吉見健明

1946年生まれ。スポーツニッポン新聞社大阪本社報道部(プロ野球担当&副部長)を経てフリーに。法政一高で田淵幸一と正捕手を争い、法大野球部では田淵、山本浩二らと苦楽を共にした。スポニチ時代は“南海・野村監督解任”などスクープを連発した名物記者。『参謀』(森繁和著、講談社)プロデュース。著書多数。