防災セットを"丸ごと買い"した人ほど危ない…被災経験者と専門家が証言する"本当に要らないもの"5選

【5】水のいらないシャンプー——「試さずに本番」で失敗する衛生グッズ

断水時の衛生ケアとして広く勧められているドライシャンプー。だが「実際に使ってみたら全然役に立たなかった」という声が絶えない。

避難所に数日間滞在した30代女性の話。

「汚れは全然落ちないし、少し気分がマシになる程度。自分の髪質に合わなかったのかもしれないけど、事前に一度も試していなかったのが失敗でした」

防災の専門家はこうまとめる。

「衛生用品は個人差が非常に大きい。防災グッズは"買って備える"で終わりにせず、"実際に使ってみる"プロセスが絶対に必要。被災のストレス下では、普段と違うものを初めて使いこなす余裕はない。日常で試し、自分に合ったものだけをリュックに入れるべきです」(防災士)

結局、最強の防災グッズは「現金」だった
では、本当に役立ったものは何なのか。複数の被災者調査で一貫して上位に来るのが、意外にも「現金」だ。停電が発生すれば、ATMもキャッシュレス決済も機能しない。コンビニや薬局が開いていても、電子マネーは使えないのだ。

被災後に避難所から近隣ホテルに移った40代女性は言う。

「現金さえあれば、お店でも使えるしホテルにも泊まれる。キャッシュレスしか持っていなかった人が途方に暮れているのを何人も見ました。現金こそが一番強い防災グッズだと実感しました」

専門家も「千円札と小銭を中心に備えること」を推奨している。釣り銭が出せない状況も想定して、小額紙幣と硬貨のストックを意識したい。

また、保存水やカセットコンロも必ずあってよかった防災グッズの上位にランクインするが、そこからも見えてくるのは、「インフラが止まっても生活できるか」。防災グッズ選びはこれが基準だということだ。

市販の防災セットはあくまでスタートライン。現金・処方薬・眼鏡の予備を加え、本当に要らないものを引く——"引き算の防災"こそが、生死を分ける備えになるのである。

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