桜の花びらをちぎる野生インコがオウム病を媒介 首都圏鳥害の実態

ワカケホンセイインコ

近年、首都圏ではムクドリの大群による衛生被害や、野生インコが桜の花びらをちぎってしまうなどの“食害”が多発している。

「ムクドリは灰褐色で顔に白い模様がある鳥で、集団で行動し、夕方になると大群でねぐらに戻る習性があります。以前は山や農村などに生息して害虫を食べてくれる益鳥としての面もありましたが、近年は餌が豊富で天敵が少ない都市部で繁殖するようになったのです」(鳥獣ライター)

駆除禁止…根本解決策が見つからない

ムクドリは野生鳥獣のため「鳥獣保護管理法」で捕獲・駆除は原則禁止されている。一般的に鳥獣対策用のLED照明を使用したり、拍子木で「カン!カン!」という不規則で乾いた音を出し、追い払うのが効果的とされるが、根本的な解決策は見つかっていない。

また、東京都では外来種の野生インコが、公園や住宅地などで開花した桜の花びらをちぎって落としてしまう被害も続出している。

「ペットとして輸入されたインド原産の外来種ワカケホンセイインコが、都心部を中心に数千羽規模で定着しているんです」(同)

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1960年代に輸入、野生化して全国へ

ワカケホンセイインコは1960年代のペットブームで日本に輸入された。その後、'70年ごろから逃げ出したこのインコが野生化して、日本各地で目撃されるようになった。現在、東京都、埼玉県、神奈川県の大きなグループと群馬県や千葉県の小さなグループが定着している。

オウム病リスク…妊婦は要注意

「東京では2024年に3000羽を超えるワカケホンセイインコが確認されています。このインコはオウム病を媒介するリスクを伴うから怖いのです。オウム病は、鳥の乾燥したフンや羽毛に含まれる菌を吸入すると発症して、高熱や頭痛、肺炎などを引き起こします。
時には妊婦が重篤化することもありますが、人への感染はまれ。しかし、注意するに越したことはありません。インコのフンが多いところではマスクを着用し、掃除でフンに触れた場合は手洗いやうがいを欠かさないことです」(医療ジャーナリスト)

ムクドリ同様、野生インコも無許可での駆除や捕獲は禁止されている。自治体の鳥害対策は急務だ。

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