18歳の少女が“伝説の一夜”を動かした――奇跡のジャズ公演誕生の舞台裏を描いた映画『1975年のケルン・コンサート』【やくみつるのシネマ 小言主義 第296回】

70年代カルチャーを体感できる映像美

1970年代はそれほど昔じゃありませんし、自分もまた同時代を生きてきました。

映画の中では、車や髪型、ファッションなど時代を感じる演出が施してあり、精度の粗いフィルム映像のようなセピア色の画面作りがしてありました。今や70年代はすっかり古き良き時代扱いなのだなと感慨深かったですね。

映画を見た後、インターネットでこの演奏を聴いてみましたら、思いのほかメロディアスで素人にも聴きやすかったです。

パンフレットによると、キース本人も所属するレーベル『ECM』も、このアルバムに否定的で距離を置いているらしい。映画の中でも極端な完璧主義で、気難しい性格だったことが描かれていましたしね。

にしても、結局はヴィラの情熱に根負けしています。

もし、自分のところに高校生がやってきて、「画期的な雑誌を創ったので、漫画を描いて欲しい」と迫られたら、どうしたかなと、思わず考えてしまいました。

「週刊実話」4月30日号より

『1975年のケルン・コンサート』
監督:イド・フルーク 出演:マラ・エムデ、ジョン・マガロ、マイケル・チャーナス、アレクサンダー・シェアー 配給:ザジフィルムズ 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開中

やくみつる

漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。