2017年11月、女性用シェアハウス『かぼちゃの馬車』を巡る不正融資が発覚し、全国にスルガ銀行(静岡県沼津市)の悪名が響き渡った。
「スルガに元本カットを求めて交渉に臨んだ結果、今年3月に債務を帳消しにすることで和解が成立したんです」(司法関係者)
しかし、スルガ銀行には不正融資の〝第2幕〟ともいうべき、アパマンローン問題が残されている。
「アパマンローンは1棟の投資用アパート・マンション向け融資で、シェアハウス問題より金額が大きく、被害者も多い。しかも、シェアハウスの場合は不動産会社『スマートデイズ』の仕切りでしたが、アパマンローンはスルガが自らセミナーを主催していた。すでに被害弁護団が結成され、元本カットの債務帳消しを要求しています」(投資ジャーナリスト)
しかし、そんな矢先の5月27日、家電量販大手『ノジマ』の野島廣司社長が、スルガ銀行の社外取締役副会長を退任することが明らかになった。
保有するスルガ株を売却する可能性
「かぼちゃの馬車の不正融資でスルガが金融庁から投資不動産向けの新規融資を半年間停止されたとき、野島氏はスルガの株式を大量取得して救いの手を差し伸べた。そんな恩人の退任が、アパマン問題に影響するのは間違いありません」(金融アナリスト)
ノジマは19年10月、スルガ銀行の創業家が保有していた全株式を取得し、筆頭株主になった。
「野島氏は、他の地銀出身者をスルガの社長に据える考えだったんですが、プロパーの上層部が反発して揉めたんです」(地銀関係者)
出資から半年後の昨年4月、佐川急便の親会社であるSGホールディングスから招聘した嵯峨行介副社長が社長に昇格。野島氏が副会長に新任したことで事態は収拾したかに見えた。
「ところが、経営方針に距離ができたと野島氏が副会長を退任し、出資分を引き揚げると発表。提携解消の場合、ノジマは18.52%を保有するスルガ株を売却する可能性があります」(同)
多くの被害者が泣き寝入りすることだけは避けてもらいたい。
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