「ホンダ、お前もか」上場以来初の6900億円赤字 ソニーとの夢のEVも頓挫した転落の全貌

3車種の開発中止 2兆5000億円損失の試算も

ホンダは、さらなる損失の拡大を招く恐れがあることから、米国で生産予定だったEVの3車種『Honda 0 SUV』『Honda 0 Saloon』『Acura RSX』の開発・発売の中止を決定した。

3月12日、ホンダは、米国市場における損失に加え、中国市場でも損失が発生すると予想、'26年3月期連結決算で最終損益が最大6900億円の赤字に転落する見込みであることを公表した。

'27年3月期以降を含めると、最大で2兆5000億円の損失が出る可能性があると試算した。昨年11月時点では3000億円の黒字を見込んでいた。

ソニーとの夢の共演も頓挫 返金騒動に発展

ソニーとのEV開発も中止されることになった。

ホンダとソニーグループが共同出資する「ソニー・ホンダモビリティ」は3月下旬、EVの開発と販売を中止することを明らかにした。もともと、中国メーカーとの価格競争に劣勢を強いられていたが、ホンダがEV戦略を見直したことで、EVを巡るホンダとソニーという夢の競演は事実上、頓挫した。

車内がエンタメ空間となる次世代EV『AFEELA1』(約1400万円)は今年中に納車を始める予定で予約金を受領していたが、返金することになった。

「断腸の思い」社長は辞任せず報酬を返上

6900億円の赤字を発表した先のオンライン記者会見で、三部敏宏社長は「北米を中心にEVの需要は大幅に減少し、あらゆる手立てを取ったが、収益性は非常に厳しい状況であり、このまま生産・販売フェーズに移行すると将来にわたってさらなる損失拡大を招く。3モデルを事業成立が困難な状況のまま世に送り出し、早期に生産中止とした場合に、ブランド価値の毀損などの面でお客様にご心配、ご迷惑をお掛けする可能性があり、会社の将来にとっても最善ではないと断腸の思いで決断を下した」とその思いを吐露した。

三部社長と貝原典也副社長は3カ月間、月額報酬の30%を自主返上、経営会議メンバー及び四輪事業に関係する執行役常務についても3カ月間、月額報酬の20%を自主返上する。上場後初の赤字だったが、社長辞任という事態にはならなかった。