【身内毒】1カ月風呂なし、室内にペットボトル排泄…義弟の引きこもりが招いた「悪臭地獄」の実態

1カ月風呂なし ペットボトルに排泄の衝撃

だが、しばらくして、母屋から異臭が漂うようになる。

「最初は生ごみが腐ったような匂いでした。きっとAがゴミを出し忘れているんだろう、くらいに思っていたんですけど、日増しに匂いがひどくなって、私たちが住む離れの方にも流れて来るようになったんです。とても耐えられなかったので夫と一緒に母屋に行ってAの部屋のドアを開けると、目を開けていられないほどの悪臭が充満していました。室内に溢れていたゴミもそうですけど、悪臭の一番の原因はAそのものだったんです。聞けば、1カ月以上お風呂に入らず、当然洋服も着替えていない。トイレに行くのが面倒だと言って、室内に放置してあるペットボトルにおしっこを溜めることもあったそうで、体臭と排泄物の匂いが混ざったすえた匂いでした。Aは見た目もホームレスのようになっていました」

久美子さん夫婦は嘔吐しそうになるのを必死でこらえていたそうだ。

「今まで生きて来て嗅いだことのない匂いでした。夫が改善するように注意したんですが、Aは聞く耳を持たずという感じでしたね」

冷蔵庫を無断で漁り悪臭が離れにまで侵食

母屋と離れは渡り廊下で自由に行き来できるようになっており、久美子さん一家の留守中にA氏が離れにやって来て、勝手に冷蔵庫の中を漁ることもあったという。

「部屋の中が臭くなるから、Aが来たって分かるんです。しかもその匂いがなかなか取れないんですよ」

母屋からの悪臭とハエやゴキブリ駆除のため、渡り廊下には無数の消臭剤と殺虫剤を置いているそうだが、効果は無いらしい。

「本当は今すぐここを出て行きたいんですけど、ここと同じくらいの広さの物件を借りるには高額の家賃がかかるし、まして代わりの不動産を購入するお金もありません。何より夫が『あんな状態のAを置いて行って、孤独死でもされたら困るし、両親に顔向けができない』と言って離れたがらないんです」

久美子さん夫婦は匂いとA、両方を絶つために渡り廊下を封鎖して壁を作ることを検討中だ。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。