『お~いお茶』値上げの裏で製茶業者が過去最多倒産 抹茶ブームが招いた"皮肉な現実"

お茶も値上げ!

『お~いお茶』が237円に 値上げの真の理由

3月1日に伊藤園の看板商品である600㎖ペットボトル入りの『お~いお茶』の希望小売価格が、216円から237円へと値上げされた。背景には容器代や燃料費、物流費の高騰とのことだが、最も大きな影響は空前の抹茶ブームによる茶葉価格の高騰といわれている。

そのため、お茶飲料の老舗業者・伊藤園の値上げに、「茶葉価格高騰の深刻さを示しているのでは」と心配する声も上がっている。

製茶業の倒産・休廃業が過去最多に

帝国データバンクが発表した「製茶業」の倒産・休廃業解散動向(2025年)によると、'25年の「製茶業」の休廃業・解散は13件で、通年では前年の8件を上回り過去最多を更新。倒産を含めると年間で14の製茶業者が市場から退出したという。

茶葉価格の高騰が、なぜ製茶業界に悪影響を与えているのだろうか?

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抹茶ブームで煎茶の原料が取り合いに

実は、近年の抹茶ブームによって、茶葉収穫から生産加工まで手がける製茶業者では抹茶のほか、その原料となる碾茶生産への移行が進んでおり、そのため製茶業者は大幅な売り上げ増の業者が現れている。

しかし、国内全体では、茶農家の担い手不足と高齢化が進み、茶畑の面積は縮小が続いている。そこに、世界的に需要が急増している飲料・加工用抹茶向けの原料(碾茶)へ出荷量のシフトの影響で、緑茶原料となる煎茶の供給量では減少傾向が続き、煎茶原料となる生葉の確保がより困難となっているのだ。

大手も中小も原料確保に奔走する現実

煎茶生産が減少する中、飲料メーカー大手各社も主力商品のペットボトル緑茶向け原料の確保に動いていることもあり、中小の製茶業者も予算に合った品質の原料調達に苦心するケースがみられるという。

世界的な抹茶ブームが単なるブームで終わるか、定着するかどうかが、長い歴史を持つ日本の製茶業界の将来を左右しているようだ。