2打席連続満塁弾に延長18回の死闘!開幕前に振り返る“甲子園伝説”【選抜高校野球名勝負・後編】

阪神甲子園球場(C)週刊実話Web

【選抜高校野球名勝負・後編】
球児たちの憧れの的である甲子園では、時に残酷なほどのドラマが展開する。だからこそ、野球ファンたちは過去の名勝負を脈々と語り継ぐのである。そこで、今年の選抜をより楽しむためにも、前編に続き甲子園の歴史に刻まれた数々の死闘を振り返ってみよう。(2回中の1回)

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■第87回大会(2015年)準決勝 1人で試合を変えた「歴史的バット」

2015年春のセンバツ準決勝、敦賀気比(福井)vs大阪桐蔭(大阪)。この試合で敦賀気比の松本哲幣が見せた打棒は、甲子園史に残る“異常値”だった。

1回、満塁の場面で打席に立った松本が放った打球は、左翼スタンドへと消える先制の満塁本塁打。さらに2回、再び満塁で回ってきた打席で、松本はまたも初球を完璧に捉え、今度は右中間スタンドへと運ぶ満塁本塁打。1試合2本の満塁弾、それも2打席連続という前代未聞の偉業に、大阪桐蔭のベンチは静まり返った。

甲子園の長い歴史の中でも、春夏通じて初めて記録された「2打席連続満塁本塁打」。スコア以上に、あの瞬間の空気の変化こそが、この試合を伝説に押し上げた要因だった。

■第91回大会(2019年)準々決勝 2年生の若武者が描いた「史上初」

2019年春のセンバツ準々決勝、明石商(兵庫)vs智弁和歌山(和歌山)。主役となったのは、明石商のリードオフマン・来田涼斗(現オリックス)だった。当時2年生の若武者が、甲子園の常識をひっくり返す。

1回裏、来田はいきなり先頭打者ホームランを放つ。試合の流れを一気に明石商へと引き寄せる一撃だった。そして試合は終盤までもつれ込むが、勝負を決めたのは9回裏だった。再び打席に立った来田のバットから放たれた打球は、右翼席へと飛び込むサヨナラ本塁打となる。

春夏通じて史上初となる「先頭打者&サヨナラ本塁打」。延長戦ではなく、9回裏で決着したこの試合は、2年生の打者が一人で試合の最初と最後を決めてしまったという意味でも、極めて特異な一戦だった。若きリードオフマンがやってのけた快挙に、甲子園は地鳴りのような歓声に包まれた。

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