ただでさえ荒れやすい牝馬重賞で、さらにハンデ戦。過去10年、3連単が10万円台に届かなかったのはわずか1回だけと、JRA全重賞の中でも、屈指の波乱レースと考えていいだろう。
加えて、勝ち馬10頭のうち、前走が条件クラスだった馬がなんと7頭。下剋上が当たり前なのも特徴となっている。
★軸馬=ソフトフルート
昨秋の秋華賞は3着で、牝馬三冠を達成したデアリングタクトに0秒3差まで迫っていたソフトフルート。続くエリザベス女王杯でも0秒6差の6着と健闘しており、重賞は未勝利ながら、ここでも十分に足りる走りを見せている。前走で3勝クラスのシドニートロフィーを勝ち、ここは昇級戦だが、それも形だけと言っていい。過去10年、ディープインパクト産駒の関西馬は【3・2・0・3】と、好走率が高い点も強調材料だ。
★相手=アンドラステ
OP昇格後の4戦は、すべて重賞で④③⑩②着と好走を重ねているアンドラステ。唯一の掲示板外は昨秋の京成杯AHだが、このときは道中の不利もあってスムーズなレースができなかった。それでも勝ち馬からは0秒6差。牝馬限定のGⅢなら、いつ勝ってもおかしくない。今回は半年ぶりの実戦となるが、過去三度の休み明けは①①②着で、2勝はいずれも今回と同じくらいの間隔。詰めて使うよりも、ゆったりとしたローテーションのほうが力を出せるタイプだ。1800メートルで2勝しており、父はオルフェーヴル。初の2000メートルでも力は出せるはず。
スランプ脱出気配のアブレイズ
★相手=レッドベルディエス
前走のヴィクトリアマイルは、17番人気12着と振るわなかったレッドベルディエスだが、GⅠ初参戦でメンバーも強かった。2000メートルは2戦して勝ち鞍はないものの、3歳時に紫苑Sで4着(3着カレンブーケドールとは0秒2差)と好走歴はある。33秒台前半の上がりをコンスタントに使える差し馬。末脚が活きる展開になればチャンス。
★相手=アブレイズ
2走前の福島牝馬Sが0秒2差の6着、前走のメイSが1着と、昨年後半あたりのスランプからは抜け出した感のあるアブレイズ。近2走とも上がり33秒台を計時し、走りにキレも出てきた。1週前の坂路調教でも抜群の動きを見せている。デビュー2戦目でフラワーCを制した逸材が本格化なら無視できない。
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