ビッグローブが2460億円も架空計上! 前代未聞の巨額粉飾が9年間もバレなかった理由

広告主が存在しないのに受注を装い

今回の不正は、こうしたネット広告取引の商流を悪用し、広告主が存在しないのに、広告代理店がネット広告を受注したかのように装い、ジー・プランとビッグローブを通じて掲載代理店に架空発注する方法で行われていた。

掲載代理店は通常であれば、ウェブ媒体に発注することになるが、ウェブ媒体ではなく別の取引先に発注しており、この別の取引先が最初の広告代理店と一体だった。

つまり、掲載代理店が広告代理店に広告代金を支払っていることになり、さらに、広告代理店がビッグローブ側に発注することで、架空取引が循環し続ける仕組みが出来上がっていたのだ。

循環取引を続けるには売り上げの水増しを続ける必要があり、架空取引額は雪だるま式に拡大。ビッグローブとジー・プランでは’24年3月期以前で約960億円、’25年3月期で約820億円、’26年3月期で約680億円の計約2460億円の架空売り上げが計上された。

ジー・プランを含むビッグローブグループの’25年3月期の連結売上高は約2300億円で、このうちおよそ3分の1の約820億円が架空売り上げだったことになる。

KDDIでは、KDDIグループ全体の余剰資金を取りまとめてグループ会社に貸し付けるグループファイナンスという仕組みを導入。KDDI側はこの仕組みを使い、昨年度、ビッグローブに約500億円の貸付を行っており、この資金の一部が循環取引に使われたとみられる。

「一連の広告仲介取引には、ジー・プランが’17年度から、ビッグローブが’22年度から関わっており、循環取引は最大で9年間にわたり繰り返されていた可能性がある」(業界関係者)

架空取引の度に、広告代理店と媒体代理店には手数料名目で計約330億円が支払われていた。KDDIは、広告代理店と媒体代理店の会社数について明らかにしていないが、少なくとも数社あるとみられ、KDDIはこれら流出した330億円の回収に乗り出す。