「杓文字」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識 【難読漢字よもやま話】


欠かせない日本の食卓風景

正解は「しゃもじ」です。

【杓文字の語源と漢字の由来】

「杓文字(しゃもじ)」は、ご飯をまぜたり、器に盛ったりする際に使う平たい道具です。漢字の「杓文字」には、中世の女性たちの流行が反映されています。

「杓(しゃく)」は、汁などをすくう「杓子(しゃくし)」を指し、「文字(もじ)」は、言葉の語尾に「もじ」をつけて呼ぶ、当時の上品な言葉遣いです。

もともとは「杓子(しゃくし)」と呼ばれていましたが、室町時代に宮中に仕える女性(女房)たちが、言葉を優雅にするために「杓子」の最初の「しゃ」を取り、そこに「文字」を付けて「しゃもじ」と呼ぶようになりました。これが現代まで残った「女房言葉(にょうぼうことば)」の一つです。

また、「杓」という字は「木(き)」に「勺(すくう)」を組み合わせたもので、木で作られたすくう道具を意味しています。

【台所の縁起物! 杓文字(しゃもじ)のトリビア】

●「幸運をすくい取る」縁起物
広島県・宮島(厳島)の名産である「宮島杓文字」は有名です。ご飯を「すくう」ことから、敵を「召し捕る」、あるいは「福をすくい取る」という縁起を担いで、必勝祈願や商売繁盛のお守りとされています。

●「飯(めし)をよそう」とは?
杓文字でご飯を混ぜることを「ご飯をよそう」と言います。これは「装う(整える)」という意味から来ており、古くからお米という神聖なものを扱うための作法が言葉に現れています。

●「表面の凸凹」の進化
最近のプラスチック製杓文字の多くには、米粒がつきにくいように小さな凸凹(エンボス加工)が施されています。これは、ハスの葉が水を弾く「ロータス効果」を応用した、身近な科学の結晶です。

●「木製」を使いやすくするコツ
伝統的な木製や竹製の杓文字は、使う前に一度水にしっかり浸すと、木が水分を吸って米粒がつきにくくなります。古人の知恵は、現代の加工技術にも負けない合理性があります。