「慈しむ」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識 【難読漢字よもやま話】

近年は自分自身を慈しむ傾向も…

●「母性」との深い関わり
心理学的には、弱く小さな存在を守ろうとする本能的な愛情を「慈しみ」の原点と捉えることがあります。見返りを求めない無償の愛の形としても語られます。

●「慈」を含む熟語の温かさ
情け深いことを「慈悲(じひ)」、恵みを与えることを「慈徳(じとく)」と言います。いずれも、強者が弱者に対して、あるいは天が人に対して向ける温かな眼差しが含まれています。

●「自然を慈しむ」
人に対してだけでなく、道端に咲く花や、変わりゆく季節の風景を愛でる際にも使われます。これは日本人が古来より持っている、万物に魂が宿ると考える精神性とも調和しています。

●「ペットを慈しむ」
現代では家族の一員であるペットに対してもよく使われる言葉です。ただ「飼う」のではなく、その命に寄り添い、幸福を願う心の動きが「慈しむ」という言葉には込められています。

●「自己への慈しみ」
最近では、他人だけでなく自分自身を大切にする「セルフ・コンパッション(自分への慈しみ)」の重要性が説かれています。自分を厳しく律するだけでなく、労り慈しむことが心の健康に繋がります。