「慈しむ」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識 【難読漢字よもやま話】


母性本能に近いかも…

正解は「いつくしむ」です。

【慈しむの語源と漢字の由来】

「慈しむ(いつくしむ)」は、かわいがって大事にする、また、いたわりの心をもって接することを意味します。
漢字の「慈」には、親が子を思うような柔らかく深い愛情が込められています。「茲(じ)」の上部は草が茂って積み重なる様子を表しており、「増える」「豊か」という意味を持ちます。「心」は、そのまま感情や精神を表しています。

これらが組み合わさり、「心が豊かに、重なり合うように溢れる」ことから、尽きることのない深い愛情、特に親が子を思うような情愛を指すようになりました。

語源としては、心身が清らかで厳かな様子を指す「厳(いつく)」が転じたという説や、愛らしさを意味する言葉に由来するという説があります。

【慈しむ(いつくしむ)のトリビア】

●「慈愛(じあい)」の精神
自分の子供を愛するように、すべてのものを平等に愛することを「慈愛」と言います。これは仏教やキリスト教など、多くの宗教において最も尊い徳目の一つとされています。

●「いつく」という響きの美しさ
古語の「いつく(斎く)」は、神に仕えるために身を清めるという意味を持っていました。そこから、対象を神聖なものとして大切に扱う「慈しむ」という現在の意味へ繋がったと考えられています。

●「愛する」との違い
どちらも大切に思うことですが、「愛する」が対象との対等な関係や激しい情熱を含むこともあるのに対し、「慈しむ」は対象を保護し、そっと守り育てるような穏やかで献身的なニュアンスが強くなります。

●「草冠」が二つ?
漢字の上部は「草(くさ)」が並んでいるように見えます。これは草が次々と生えてくる様子から「滋(しげる)」という字にも共通しており、愛情が絶え間なく湧き出るイメージに重なります。