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日ハム新監督に新庄剛志氏が急浮上! 原監督を迎える準備も進行中?

新庄剛志
新庄剛志 (C)週刊実話Web

パ・リーグ最下位に低迷する北海道日本ハムファイターズで、栗山英樹監督の去就問題が本格化し、新監督に「宇宙人」新庄剛志氏の名前が急浮上した。

背景にあるのが、再来年春の新球場移転問題だ。巨人・原辰徳監督の去就を含めた球団の深謀遠慮が渦巻く――。

交流戦で阪神に3タテを食らうなど低迷が続く日本ハムで〝栗山おろし〟が加速している。今年の4月から5月にかけて、選手、コーチら計14人が新型コロナウイルスに感染。クラスターを招いた監督責任も問われた上、開幕から62試合を終えた時点で22勝35敗5分、チーム打率2割2分5厘、195得点、32本塁打とすべてリーグワースト。首位楽天から10.0ゲームも離され、ファンの怒りは栗山監督に向けられているのだ。

後任は、小笠原道大ヘッド兼任打撃コーチの昇格が既定路線だったが、打撃低迷の責から脱落。今夏の東京五輪で日本代表監督をおりる稲葉篤紀氏も有力と言われるが、シーズン途中での交代は何かと難しい。

そこで、球団が「代理監督」に起用を検討しているのが、異色のキャリアを持つ原田豊・二軍監督だ。何が「異色」かというと、原田二軍監督はアマ出身でプロ未経験の変わり種なのだ。

山口県の柳井高校から東海大に進んだ原田二軍監督は、その後、社会人の協和発酵へ。監督に転身し、母校の野球部監督を務めたあと、2014年に日ハムのスカウトに就任。19年からコーチとなり、今季は二軍監督を務めている。球団OBの野球解説者が舞台裏を明かす。

「原田二軍監督は東海大時代、原監督と同期で、三遊間を組んでいた間柄。日ハムは現在、札幌市の隣の北広島市に2023年春に完成予定の開閉式ドーム『エスコンフィールドHOKKAIDO』を建築中で、新球場移転に合わせて集客力の高い原監督を迎える準備を進めているんです。その先兵が、原田氏。実現すれば、ヘッドコーチに就く。つまり、来季の監督は絶対につなぎ役の〝ワンポイント〟であることが必要なのです」

1年ポッキリの契約を歓迎

長嶋茂雄氏、川上哲治氏を抜いて通算勝利数で巨人の歴代トップになった原監督が、日本ハムのユニホームを着ることは考え難い。しかし、思いのほか感触は悪くないのだという。

「戦力豊富な巨人しか指揮していない原氏は、球界重鎮らから監督能力を疑問視されています。本人もそれを気にかけ、親しい球界関係者には『一度巨人以外のチームを率いてみたい』と話しているそうです」(同)

巨人一筋だった王貞治氏が福岡で監督に就き、ソフトバンクに今日の隆盛をもたらしたように、原監督もまた北の大地での有終を夢見ているというのだ。

しかし、今季で巨人監督を勇退したとしても、すぐに別のユニホームに着替えるのは道義にも反する。日ハムもこの点に配慮し、1年間の〝中継ぎ監督〟を検討しているのだという。

本来なら侍ジャパンの稲葉氏に託したいところだが、こうなると「1年限定」とはいかない。そのため、原氏招請が不発に終わった時の備えが有力で、浮上してくるのが球団OBの新庄剛志氏なのだ。「1年ポッキリ」の契約を、逆に歓迎しているという。

「日ハムが北海道で成功したのは、間違いなく新庄さんの功績です。再度、新球場への移転が決まり、札幌のオールドファンが去りつつある現状を考えれば、注目度の高い新庄さんに監督を預けるのが興行的にベストでしょう。あのキャラは、扱いの難しい中田翔とも周波数が合致するし、将来の主砲、エースの期待がかかる清宮幸太郎や吉田輝星も覚醒させられるかもしれませんよ」(地元紙記者)

名将たちのノウハウを吸収してきた新庄

プロ野球選手として日本(阪神、日本ハム)で14年間、メジャーリーグ(メッツ、ジャイアンツ)で3年間プレーした新庄だが、その間に薫陶を受けた指揮官は名監督揃い。阪神時代は新庄氏を「宇宙人」と命名したID野球の野村克也氏、メッツでは千葉ロッテの監督も務めたB・バレンタイン氏、日ハムではのちにロイヤルズ監督に転身したT・ヒルマン氏。名将たちのノウハウを吸収し、大化けの可能性があると見る。

現役時代は敬遠球をサヨナラ安打したり、オールスター戦で奇跡的なホームスチールを敢行するなど、「新庄劇場」と揶揄する人も多いが、日ハムの見方は違う。常に興行を考え、観客動員を心がけていた点を高く評価しているのだ。

04年シーズンから日ハムに所属したのも、ファン心理を考えてのこと。当時、本拠地を東京ドームから札幌ドームに移したばかりで、入団会見で「札幌ドームを満員にする」と宣言。翌年の開幕戦で4万人以上のファンがドームを埋め尽くしたことは、今も語り草だ。

一方、06年の開幕直後、いきなり引退を宣言したが、これも入場者数を増やしたい、球団の台所事情をおもんぱかっての行動だ。しかも、この年、日本一を達成して引退というカッコよさ。

「日ハムの年間観客動員数は大谷翔平を擁して日本一に輝いた16年が207万人、翌17年は208万人を超えましたが、大谷ロスで18年は196万人に減少。昨年はコロナの影響でわずか27万6471人。喫緊の課題は、いかに観客を呼び戻して新球場移転につなげるか。それができるのが新庄氏という判断です」(同)

昨年12月、12球団トライアウトに日ハムのユニホームを着て参加した新庄氏。結果、「不合格」となり、プロ野球とは一線を引いた格好だが、それは現役選手としての評価。監督としての手腕、観客を動員する影響力は、まさに「宇宙人」なだけに計り知れない。

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