強行開催が濃厚な東京オリンピックで、開会式の華である選手入場の旗手役が誰になるのか、注目を集めている。
7月6日の結団式と壮行会をめどに発表される見通しだが、感染拡大の防止策と同様、注目の的の選出にも〝政府の強引さ〟が透けて見える。
「大方の予想通り、競泳の池江璃花子が有力視されています。すでに『内定』と言い切る政府関係者もいました」(スポーツ協会担当記者)
白血病を患い、一時は競技から離れていたものの、その後、驚異的な回復力で第一線に帰って来た。そんな彼女が旗手を務めるとなれば、開催に反対する野党議員らも支持に傾くかもしれない。また、ドタバタ続きの政府に憤慨する国民も、「池江の復帰は別の話」と好意的に受け止めるだろう。
おそらくは、それが政府や関係者の狙いなのだろうが、問題は他にもある。
「旗手って、意外と疲れるらしいんです」(同・記者)
大役を担った経験のあるアスリートたちは、割に合わない疲労を口にするという。
疲れが抜けないまま本大会に臨む
また、自身は団旗を持った経験こそないものの、2010年のバンクーバー、14年のソチ五輪に出場した元フィギュアスケーターの鈴木明子氏も、NHK・Eテレの番組で「待機時間が長く、セレモニーまでかなり時間がかかるんですよね」と懸念していた。
「団旗は軽量化されていますが、長時間持っていなければならないので、肉体的な負担はもちろん、精神面での疲労も大きい」(スポーツ紙記者)
競泳は大会前半、開会式直後に予選が始まる。となれば、旗手の大役を引き受けたことで、疲れが抜けないまま本大会に臨むことになる恐れもある。
「池江は大役にふさわしいアスリートで、日本中が応援していますが、開会式で先頭を歩いてほしいという意味ではありません」(同・記者)
池江の清潔なイメージにあやかりたいという魂胆なのだろう。菅義偉首相は1964年の前回大会の思い出を語っていたが、自らへの批判をかわすために選手を使うとは呆れるばかりだ。
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