なぜ主力選手が次々と退団するのか? 蝶野正洋が語る新日本プロレスの契約“裏事情”

グッズ・映像使用料が不透明

例えば、俺の昔の試合映像をテレビで使ったとする。映像の著作権はテレビ朝日と新日本プロレスが持ってるんだけど、肖像権は俺にある。だから、放送するなら俺にひと声かけないといけないんだけど、これがウヤムヤになっている。

これは写真も同じ。プロレス雑誌やスポーツ新聞などが、かつて撮った試合写真をテレビ局に貸し出したとする。出版社や新聞社にその使用料が入ってるはずなんだけど、俺にはなんの連絡もない。

テレビ局側から支払われることはあるんだけど、本当は使用料を受け取っている貸し出し側が、写真を撮ったカメラマンの著作権や俺の肖像権に対して利益を分配しないといけないはずだよね。

この前、女子プロレス団体のマリーゴールドが、以前に別団体に所属していた選手の当時の写真を使ったグッズを販売したことで注意勧告を受けていたけど、これも権利に対する認識の甘さが露呈した騒動だよね。

昔の新日本プロレスはどんぶり勘定が横行するような興業会社だったけど、オーナー企業が移ったことで内部の経理的な部分の改革が進んだ。けれど、選手に対する契約や権利、正当な利益の分配という点では、まだアップデートできていないんじゃないかな。

それこそ昔は契約書に「辞めても1年間は他団体への出場禁止」みたいなことも盛り込まれていた。破ったときの違約金は、契約金の3倍とかね。

こういった一方的な縛りや法外なペナルティーのある契約は、法律的には違反になるらしい。最近はどうなっているのか分からないけれど、会社と選手は平等という原則は守っていてほしいね。

今の時代、下手な小細工をしないで、正々堂々と契約条件を整えたほうが、結果的に選手の流出も防げると思うよ。

「週刊実話」2月26日号より

1963年シアトル生まれ。84年に新日本プロレス入団。「nWo JAPAN」を率いるなど〝黒のカリスマ〟として活躍し、2010年に退団。現在はプロレス関係の他に、テレビやイベントに出演するタレント活動、「救急救命」「地域防災」などの啓発活動にも力を入れる。