新宿・歌舞伎町「性風俗」の闇実態

歌舞伎町 (C)週刊実話Web
1月、東京・新宿区歌舞伎町に2つの激震が走った。

歌舞伎町を中心に全国で活動している違法スカウト組織『ナチュラル』のトップが鹿児島県の奄美大島で逮捕、同界隈にたむろする「トー横キッズ」と呼ばれる少年少女が過去最大となる32人も補導されたのだ。

警視庁暴力団対策課は1月26日、女性を性風俗店に紹介するスカウト行為を黙認してもらう見返りとして、山口組系幹部にみかじめ料60万円を支払っていたとして、国内最大級の風俗スカウトグループ『ナチュラル』会長の小畑寛昭容疑者(40)を都暴力団排除条例違反の疑いで逮捕した。

警視庁は2025年1月に逮捕状を取得していたが、小畑容疑者は行方をくらましていた。今年1月21日に公開手配し「奄美に似た人物がいる」との情報を受けて捜査員を派遣、26日に奄美大島で身柄を確保した。

警視庁はナチュラルを「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」と位置づけている。歌舞伎町を拠点に全国で1500人以上のメンバーを抱え、小畑容疑者がトップに君臨。'22年の1年間だけで、紹介料などによる違法収益は約44億5000万円に上るとみられている。

「みかじめ料を払った容疑での逮捕は、端緒にすぎません。ナチュラルがトクリュウという犯罪グループであり、暴力団の新たな資金源になっていたというところが本丸です。すべてを把握しているトップ・小畑容疑者の逮捕は警察の念願でした」(全国紙社会部記者)

半グレの小畑容疑者は、歌舞伎町で暴力団にもケンカを売る「木山兄弟」として知られる武闘派だった。'09年ごろにナチュラルを組織し、'20年には全国800人規模の組織に拡大した。

しかし、'20年に暴力団とトラブルを起こし、“歌舞伎町スカウト狩り”のターゲットとなった。

歌舞伎町関係者は「ナチュラルが別のスカウトグループの腕利きスカウトを引き抜き続け、トラブルになった。引き抜かれ被害のグループがK連合の傘下の組に相談。ナチュラルと交流のあるK連合傘下の別の組がナチュラルに引き抜きをやめさせるよう話をつけ、両組が和解案をナチュラルに飲ませようとしたが、小畑容疑者が拒否。そこでメンツを潰されたヤクザが、夜な夜な数十人規模でナチュラルのスカウトを探し出してはボコボコにするスカウト狩りが始まった。数カ月後、ヤクザ側が勝利宣言を出したんですが、その後も散発的にスカウト狩りは続きました」と語る。

歌舞伎町にいられなくなった小畑容疑者は東京・渋谷、そして関西を転々とし、最後には奄美大島にまで逃げたわけだ。

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泥酔したようなオッサンに胸を揉みしだかれ…


「驚くのは、小畑容疑者が逃げながらもナチュラルは勢力を拡大し、1500人規模になっていたことです。ヤクザと対立するのではなく、払うものを払った方が勢力拡大につながったわけです。また、'19年末からの新型コロナ禍で、街で声を掛けるよりも、SNSのスカウトの方がタイパ、コスパがいいことが分かった。売れっ子風俗嬢のSNSアカウントを買い取って、派手な遊びを投稿。『私も売れたい』とコメントを付けるフォロワーに対し、『私の知り合いのスカウトを紹介してあげる』と自作自演するんです」(同)

時間・場所を問わずに見知らぬ者同士をつなげるSNSは便利だが、当然、犯罪組織もそれを利用する。ホストに貢いで困窮した女性をナチュラルがSNSでスカウトし、そのスカウトバックが暴力団の資金源になっているとされる。

近年、SNSをきっかけに歌舞伎町の新宿東宝ビル横(トー横)の周辺へと流れ着く10代が後を絶たない。それがトー横キッズだ。

少年少女の多くは、犯罪を目的に集まっているわけではない。家庭や学校に居場所を見いだせず、「ただ誰かと一緒にいたい」「否定されずに存在したい」という切実な欲求を抱えているだけだ。匿名でつながれるSNSは、その入り口として機能する。

警視庁は1月17日と24日の2日間、トー横など歌舞伎町に夜間集まる少年少女32人を補導した。このうち4人は薬物過剰摂取の「オーバードーズ」の疑いがあった。15歳の女子中学生のカバンからは睡眠導入剤600錠が見つかった。

トー横は年齢や肩書を問われず、お金がなくても夜を過ごせる。だが、その自由さは同時に危うさもはらむ。住む場所や収入のない未成年にとって、生きるための資源は圧倒的に不足している。そこへ“助け”を装った大人が近づく。食事や寝場所、優しい言葉の代償として差し出されるのが、薬物や売春といった違法行為だ。

「あるとき見たんです。トー横にいた中学生ぐらいの、あのちゃん似の女の子が、泥酔したようなオッサンに胸を揉みしだかれて、『おっぱいは触らないで』と叫んでいたんです。オッサンが『ごめん、ごめん。これあげるから』と錠剤をあげた。錠剤を飲んだ、あのちゃん似はボーッとして、おっぱいを揉まれても何の反応もせずぐったり。トー横では、そんなことが起きてるんですよ」(周辺住民)

女の子は居場所を探してトー横に流れ着いたはずだが、薬物摂取に手を染めてしまったことになる。居付き続ければ、いずれ売春などの性犯罪に手を染めるかもしれない。

「トー横キッズは、断れない関係性、逃げ場のない状況の中で、気づけば犯罪に巻き込まれていく。判断力は削られ、自己価値は壊れ、抜け出す力は奪われていく。この現象を自己責任で片づけることはできませんよ。トー横問題が突きつけているのは、若者が安心して立ち止まれる居場所を社会が用意できていないという現実です」(歌舞伎町に詳しいスポーツ紙記者)

歌舞伎町の闇は深い。

「週刊実話」2月19日号より