「政治を科学する男」はなぜつまずいたのか? 鳩山由紀夫の異色すぎるリーダーシップ

論理的だがブレやすい“致命的欠点”

政治家としての鳩山は、こうした確率、OR的思考で、従来の腹芸的な政治手法から脱却し、進めるべき政策の精査、順位づけなどにも“導入”できるのではないかと考えていた。

鳩山が首相になる前、所属していた民主党の幹部は、こうした鳩山の「体質」を次のように語っていた。

「鳩山は常に物事を論理的に考えるが、先入観を持たないで人の話を聞く素直さがあり、官僚からレクチャーを受ける際も、話を3つくらい聞けば政策の全体像が描ける頭のよさがある。難は、その論理的思考が状況の変化に、柔軟についていけないという点で、時として発言がブレることがあるのが、いい例だ。また、持ち前の『友愛精神』も、政治の現場の厳しさと相いれないときがある」

そうした危惧は、普天間基地の移設問題で「県外移設を目指す」としたものの、まったくメドが立たず、結局はこの発言が政権の命取りになったことで、現実化することになる。

この「友愛精神」は、祖父の鳩山一郎以来、鳩山家が踏襲し続けた“生き方”であり“行き方”だった。

(本文中敬称略/この項つづく)

「週刊実話」2月19日号より

小林吉弥(こばやし・きちや)

政治評論家。早稲田大学卒。半世紀を超える永田町取材歴を通じて、抜群の確度を誇る政局・選挙分析に定評がある。最近刊に『田中角栄名言集』(幻冬舎)、『戦後総理36人の採点表』(ビジネス社)などがある。