「歴史を読め、男は泣くな」麻生太郎“政治の原点”となった祖父・吉田茂の言葉と教え

首相官邸HPより
永田町取材歴50年超の政治評論家・小林吉弥氏が「歴代総理とっておきの話」を初公開。今回は麻生太郎(下)をお届けする。

吉田茂が麻生に語った「バカヤロー解散」の舞台裏

麻生太郎の祖父が「ワンマン」と呼ばれた吉田茂であることは知られているが、麻生が吉田について親しい政治記者に語ったエピソードのなかには、なかなか興味深いものがある。

そうした逸話のいくつかを記してみる。

第4次吉田内閣の昭和28(1953)年2月の衆院予算委員会で、吉田は右派社会党の論客として知られた西村栄一の質問を受けているさなか、興奮して頭に血が上ったのか「生意気なことを言うな」「無礼者、バカヤロー」と口走ってしまった。

その結果、野党3党から共同で内閣不信任案を突きつけられ、衆院を解散せざるを得なくなったが、吉田は麻生に「バカヤロー解散」の“真相”について、こう話したそうだ。

「私があのときバカヤローと怒鳴ったみたいにいわれているが、怒鳴りやしなかった。西村君が私に食ってかかってきたとき、席にいてちょっとバカヤローと呟いただけだ。本当は誰にも聞こえなかったはずなんだが、口の動きで分かってしまったようだ。国会議員のなかには、どうやら“読唇術”の達人がいたようだ」【歴代総理とっておきの話】アーカイブ