「歴史を読め、男は泣くな」麻生太郎“政治の原点”となった祖父・吉田茂の言葉と教え

“ワンマン流”オールドパーの飲み方

吉田は酒の席で、スコッチウイスキーの『オールドパー』を好んで飲んだ。これには“ワンマン流”の飲み方があって、水で割るが氷は絶対に入れなかった。その理由を麻生は吉田から聞いていた。

「祖父は氷を入れないことについて、『英国人は“腹を冷やすのはよくない”と言ってビールを冷やさない。ウイスキーも水では割るが氷は決して入れない。氷が溶けてくると水割りが薄くなり、味も落ちてくるからだ』と言っていた。祖父が遊説で地方に出掛けるときは、ハバナ産の葉巻と『オールドパー』を携行するのが常だった」

ちなみに、あの田中角栄も『オールドパー』の水割り一本やりで有名だったが、吉田の門下生としてこれを“踏襲”していたことは知る人ぞ知るのである。

また、麻生が吉田から、直接、教訓らしきものを聞いたのは、学習院の初等科、中等科の頃で、たった2度ほどだったそうだ。

次のような政治記者の証言が残っている。

「麻生は吉田から『太郎、おまえは歴史書を読むことだ。何が変わって、何が変わっていないかよく分かる。歴史を知らない国民は滅びる』と言われたそうだ。もう一つの教えは『男は決して泣くものではない。泣くのは感激したときだけにしろ』というもので、説教をして教育するという考え方は、吉田のなかには一切なかったそうだ」