花粉症対策の救世主「スギ花粉米」活用の医薬品開発が進むが課題も

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今年も間もなく――。国民の3人に1人が悩まされ“国民病”とも呼ばれる「花粉症」。日本気象協会によると、今春のスギ花粉飛散量は東日本および北日本で例年より多く、北海道や東北の一部で約2倍の見込み。飛散開始は例年並みの2月上旬からと予測している。

「スギ花粉で苦しむ国民は約4割を占めるといわれ、花粉症を含むアレルギー性鼻炎の医療費は市販薬で年間400億円に上ると推計されています。アレグラ、クラリチン、アレジオンなどの花粉症市販薬は抗ヒスタミン薬の中では副作用がないのが利点ですが、価格が高い。花粉症患者は治療にかなり支出しているんです」(医療ジャーナリスト)

2020年から重症の花粉症患者に対して保険適応になった注射薬『ゾレア』。同注射薬を1回当たり300ミリグラム、4週間ごとに投与すると、自己負担3割の方は1カ月で1万円以上もかかる。

「国民病である花粉症の医療費は無料にすべきなんですが、政府にその動きはない。その代わりというつもりか、スギ花粉米を原料にした医薬品の開発を加速させています」(同)

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スギ花粉米とは?

スギ花粉米は、摂食によりスギ花粉症を緩和させることを目的に遺伝子組換え技術を用いて作出されたイネのこと。2000年度から農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が研究・開発を続けている。

「当初はパックご飯としての普及を目指したんですが、重い保管コストや比較的短い保存期間が障害になっていた。その後、体内への取入れやすさを重視した結果、同米から有効成分を抽出、粉末の医薬品として実用化を目指す方針に転換したんです」(農業ライター)

花粉が飛散する数カ月前からスギ花粉米を毎日摂取すると、徐々に体が花粉に慣れ、シーズン中に症状を抑えることが期待できる。

「医薬品として流通させるにはスギ花粉米の生産を安定させ、一定の量と品質を確保する必要がある。現在は農研機構の田んぼで生産していて、年450キロ程度の収穫にとどまっている」(前出・医療ジャーナリスト)

花粉症の人は“悲惨”な季節がもう目の前。

「週刊実話」2月5・12号より